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5月も終盤となり、最高気温が25度を超える夏日となることも増えてきた。この時期、体が暑さに慣れていないため体調を崩す人も多い。特に新型コロナウイルスの影響で外出を控えてきた人が多いため、「マスクをしての活動はできるだけ通気が良く、涼しい場所を選ぶ」「人混みでなければ、気温が30度を超えたらマスクを外し、作業を中断する」などの工夫が必要だ。
梅雨入りと前後して真夏日を記録することも珍しくない
熱中症に詳しい済生会横浜市東部病院の患者支援センター長兼栄養部部長の谷口英喜医師は「この時期に注意が必要なのはスポーツや農作業などの屋外活動時の熱中症だ。体が暑さに慣れていないため、発汗などによる体温調整が適切にできないリスクがある」と注意を呼び掛ける。「屋外で活動する場合には作業の有無にかかわらず数十分ごとに150㏄程度の水分補給を欠かさない」ことも必要。学校の体育の授業やクラブ活動でも同様だ。
「梅雨明け以降の問題と思われている熱中症だが、梅雨入り前は気温の変動が大きく、比較的乾燥していても日中の最高気温が夏日に達することが珍しくない。梅雨入り前も警戒が必要」という。通常は、この季節に少しずつ体が暑さに慣れていくのだが、「ここ2年ほどは新型コロナ対策で外出を控える傾向があり、例年にも増して体が暑さに順応していない。いつも以上に時間をかけて順応させていくことが大切」と助言する。
具体的な熱中症予防策は真夏と同じだ。気温が高い日の屋外業は、年齢や体調に応じて30分から1時間ごとに水分補給を伴う休息を取る。「真夏の熱中症は、屋内で高齢者に頻発するが、この時期の熱中症は50~60代が屋外作業中に発症することが多い」と注意を促す。
また、新型コロナ感染予防のためにマスクの着用が日常化しているが、体内の熱を息として吐き出しにくくなる上、喉の渇きを感じさせにくくなる。「熱の放出を妨げ、水分補給の必要性を感じさせない。少なくとも熱中症対策としてマスクは問題」と指摘する。(了)
(2022/05/27 05:00)
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