治療・予防 2024/12/27 05:00
センチネル外傷
~深刻な虐待につながるサイン(東京都立墨東病院 大森多恵責任部長)~
主催したのは、医師や管理栄養士、カウンセラーらでつくる「ホルモンケア推進プロジェクト」。同プロジェクトは3月9~10日、40~50代の女性333人を対象に体調の変化と心理状態について調査した。
◇体調悪くても我慢
調査によると、「ここ5年で体調の変化を感じている」と答えた女性は77.6%に上った。それにもかかわらず、「何となく不調を感じても、我慢してしまう」が41.5%と、「病院へ行く」の26.8%を大幅に上回った。同プロジェクトはこうした女性たちを「がむしゃら世代」と位置付ける。多くは右肩上がりのバブル世代で姿勢は積極的。ただ、男女雇用機会均等法が浸透する前で、企業などにおける地位は低かった。
調査では、「周囲の人から『がむしゃら』と言われたことがあるか」との問いに対し、「よく言われる」と「たまに言われる」を合わせると67.3%に達した。気掛かりな点はそのうち「今以上に頑張らないといけない」と考える女性が60.3%もいたこと。がむしゃらと言われる女性ほど、体調の変化を実感し、ストレスを感じていた。
◇更年期障害の原因にも
女性の健康には、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンが大きく影響する。講師を務めた産婦人科医・臨床心理士の吉野一枝さんは「女性は日々、ホルモンの変動にさらされている。おなかが痛いとか、腰が痛いといったいろいろな症状が日々、出るのは当たり前だ」と語った。
より問題なのは、年代によって女性ホルモンの分泌量が大きく変化することだ。「エストロゲンは40代に入ると、急激に低下する。すると、血圧やコレステロール値が上がったり、太りやすくなったりする。さらに全身の不調にもつながる」
顔の火照りやのぼせ、発汗、動悸(どうき)、頭痛、不眠など更年期(45~55歳とされる)障害といわれるものの原因の一つがエストロゲンの減少だ。
更年期障害にとどまらず、女性ホルモンの低下は動脈硬化や骨粗しょう症、認知症などにつながる恐れがある。吉野さんによれば、治療法には漢方薬の服用やホルモン補充療法、低用量ピルの服用などがある。漢方薬は保険が適用されるものがあるが、吉野さんは「同じ症状でも、体質の違いにより全く違う処方になる」と指摘する。補充療法のホルモン剤には、内服薬、塗り薬、貼り薬がある。
◇かかりつけ産婦人科医を
「日本の女性は我慢強いといわれるが、我慢していては駄目。更年期まで頑張った女性は『自分ファースト』でいきたい。自身が健康でないと、家族や会社にかえって迷惑を掛けることになる」
大事なことは、毎日、体調が悪くないかチェックする「セルフケア」だ。それに加え、吉野さんは「ぜひ、かかりつけの産婦人科を持ってほしい。できれば若い時からが望ましい」と強調した。 (編集委員・鈴木豊)
(2017/03/29 14:16)
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