治療・予防 2024/12/23 05:00
薬物療法が大きく進歩
~ぼうこうなどの尿路上皮がん(虎の門病院 三浦裕司部長)~
人知れず悩む人も多い「円形脱毛症」。ストレスが原因とのイメージが強いが、それだけではない。円形脱毛症の治療に詳しい斉藤典充・なごみ皮ふ科(神奈川県海老名市)院長に話を聞いた。
円形脱毛症
◇円形脱毛症は自己免疫疾患
日本イーライリリー社が今年2月に実施したアンケート調査によると、円形脱毛症の原因を「ストレス」と考える人は約8割いた。
円形脱毛症の患者も「自分は心が弱い人間だ」と自らを責める傾向があるという。「ストレスもきっかけの一つですが、そもそも円形脱毛症は自己免疫疾患と考えられています」と斉藤院長。
自己免疫疾患とは、本来体内に侵入してきた異物を排除するために働く免疫機能が、何らかの原因で自分の細胞やタンパク質を攻撃してしまう病気。円形脱毛症の場合、免疫機能が髪の毛根組織を異物と見なして攻撃するため、髪の毛が抜けてしまうという。
免疫機能の異常の原因として、ウイルス感染や季節の変わり目なども考えられる。
「コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどに感染し治癒した後、円形脱毛症になることもあります」
症状としては丸く毛が抜けたり、複数できたりすることもある。ひどくなると、頭全体の髪の毛が抜けたり、全身の毛が抜けたりする人もいるという。
◇症状で治療法に違い
円形脱毛症の治療法は幾つかあるが、基本は毛髪組織を攻撃する細胞を抑え込むというもの。一般的にはステロイドの塗り薬を患部に塗るほか、セファランチンやグリチルリチン酸という薬を服用することもある。
症状によってはステロイドを直接、頭皮に注射したり、紫外線を照射したりすることもある。「最近、全身治療薬として経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬の処方が可能になりました。既に何人かの患者さんに飲んでもらっています」
円形脱毛症は珍しい病気ではなく、50人に1人が経験しているといわれる。「自然と生えてくるケースもありますが、幾つもできたとか、広がってきた場合は、皮膚科を受診してください。できれば、家族など身近にいる信頼できる人に話をして味方になってもらいましょう。それだけでも気持ちが楽になります」と斉藤院長は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/01/12 05:00)
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