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早産などで小さな赤ちゃんを産んだ母親が、母子健康手帳(母子手帳)とは違い、子どものゆっくりした成長を大切に記録できるサブブック「リトルベビーハンドブック(LBH)」を発行する動きが全国の自治体に広がっている。出生時の身長、体重が「基準」に足りず、母子手帳にわが子の成長の記録を思うように書き込めないつらさを受け止めてくれると好評だ。現在、LBHを発行しているのは都道府県としては11県だけだが、ここにきて導入に乗り出す自治体が大きく増えている。今年度少なくとも24道府県余りが作成の意向を表明したり、具体的な準備を始めたりしているほか、10市余りが導入している。(時事通信社編集委員 長橋伸知)
しずおかリトルベビーハンドブックの表紙
◇母子手帳が不安に追い打ち
赤ちゃんというと、ふっくらした手足や元気な産声を想像する人が多いだろう。しかし、すべての赤ちゃんがそうではない。
厚生労働省の人口動態統計によると、2021年に2500㌘未満で生まれた「低出生体重児」は全体の約9.4%(同7万6000人)、1500㌘未満の「極低出生体重児」は約0.7%(同6000人)、1000㌘未満の「超低出生体重児」も約0.3%(同2400人)いる。低体重で生まれる赤ちゃんは医療の進歩とともに増えている。
これらの赤ちゃんは産後すぐにNICU(新生児集中治療室)に入院することが多い。すぐに胸に抱きたいと思っても、保育器越しにしか見ることができない。イメージと違う、か細く弱々しい体にはチューブなどたくさんの医療器具が取り付けられている。
「赤ちゃんに会った時にかわいいと思えない気持ちに戸惑い、自分の何がいけなかったのかと気分が落ち込む」──。母親は混乱と不安の中、自責の念を募らせるという。
こうした期待と違う出産のショックに母子手帳が追い打ちをかけることがある。
母子手帳は妊娠37週から41週までの正期産を想定して作られ、成長曲線のグラフは体重1000㌘、身長40㌢から始まる。
そのため、それ未満で生まれた赤ちゃんの場合には記入することができず「国から自分の子どもの存在が否定されているような気持ちになってしまう」との声も上がる。
月齢に応じた発育状況についても「あやすとよく笑いますか」「お乳をよく飲みますか」などの問いに「はい」「いいえ」の2択で記入する方式のため、発育がゆっくりの赤ちゃんでは「いいえ」の回答ばかりに。「母親失格」と自分を追い詰めてしまうケースも多いという。
初めて・・・
◇「初めて」を記録するしずおかLBH
こうした悩みを解消しようと、11年に母親目線に立った初のLBHの原版を作ったのが、静岡県立こども病院(静岡市)のNICUに入院していた低出生体重児の母親の育児サークル「ポコアポコ」だ。ポコアポコとはイタリア語で「ゆっくり」「少しずつ」の意。小さく生まれた赤ちゃんの一歩ずつの成長を温かく見守ろうという思いが込められている。
代表の小林さとみさん(55)らが作成した原版は医師の助言なども参考にして18年4月に公式に「しずおかリトルベビーハンドブック」(しずおかLBH)として発行された。これが後発の多くのLBHのモデルとなっていく。
しずおかLBHは、母子手帳と併せて使用する。主に出生体重が1500㌘未満の赤ちゃんを対象に、3歳くらいまでの成長過程を想定して作成されている。
母子手帳と大きく違うのが、発育状況についての設問に「はい」「いいえ」で答える2択形式をなくした点。低出生体重児でなくても、わが子の「できない」がついつい気になってしまうのが母親だ。そのため、しずおかLBHは、むやみに他の赤ちゃんの発育と比べて不安を募らせることがないようにこの点を工夫。小さな赤ちゃんならではの記録が付けられる「赤ちゃんと家族の初めての記録」という記載欄を設けた。
「初めて赤ちゃんに会った日」「初めて触った日」「声を聞いた日」「抱っこした日」などの日付と、その時の気持ちを大切に残していく方式で、「比較」しがちな負の心情を和らげようという狙いだ。
成長曲線も、かなり小さく生まれた赤ちゃんにも配慮し、体重0㌘、身長20㌢から記録できる。こうした工夫が、「育児はマイペースでいい」という安心感と成長の実感につながっている。
A6判、64㌻(全4章)から成るしずおかLBHには、他にも「小さな赤ちゃんに起こりやすいこと」として、「脳出血」「未熟児網膜症」といった感染症や合併症などに関する情報や、先輩ママからの温かく親身なコメント、育児サークルの情報も記載されている。
(2022/12/01 05:00)
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