話題 2024/12/19 05:00
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果物はデザートやおやつとして食べたり、パンやジュースの成分になっていたりする。日本人が好むリンゴは腸内環境を整え、動脈硬化や糖尿病を予防する効果があるという。リンゴの成分が健康寿命を延ばすとして、食事に取り入れるよう勧める3人の医師が実践しているメニューを紹介する。「あまり手間がかからないので試してほしい」と、医師たちは話す。
医師が薦めるメニュー「リンゴと白菜のサラダ」
◇内臓脂肪を減らす
内臓脂肪が蓄積すると、高血圧や高血糖、脂質異常などの生活習慣病を招き、動脈硬化を経て狭心症や心筋梗塞、脳卒中などのリスクが高まる。
池谷医院(東京)の池谷敏郎院長はこう指摘した上で、食事にリンゴを取り入れるように勧める。さらに「1日の初めにしっかり栄養素を吸収する。朝食の時にリンゴから食べ始める『リンゴファースト』が良い」と強調する。
リンゴには食物繊維やビタミンC、カリウム、β(ベータ)カロテンが含まれている。ただ、糖尿病が国民病とも言われる中で、果糖(フルクトース)を取ることを気にする人も少なくない。日本糖尿病学会誌によると、食後の血糖値上昇を示す指標であるGIは平均で、消費量が最も多いバナナは51、2番目のリンゴは36だ。よく食べる他の果物では、スイカ76、ブドウ46、オレンジ43、イチゴ40などとなっており、リンゴのGIは低い。
抗酸化物質のポリフェノールの一種であるプロシアニジン類は、リンゴに含まれるポリフェノールのうち約6割を占める。池谷院長は「リンゴ由来のプロシアニジンは内臓脂肪を低減させ、動脈硬化を予防したりする効果が期待できる」と話す。
池谷院長が薦める料理が「リンゴと白菜のサラダ」だ。リンゴ半分、茎と葉の部分に分けた白菜、4等分に切ったハムを千切りにし、ドレッシングであえる。これに細かくつぶした卵1個とスプラウトを加える。
医師が薦めるメニュー「ホットケーキ・リンゴソテー添え」
◇2種類の食物繊維を含む
小林メディカルクリニック東京の小林暁子院長は「便秘や下痢を繰り返すことは生活習慣病に結び付く可能性がある。現代人の健康のカギを握るのは腸だと言ってもよい」と話す。その腸内環境を整えたりするなどの役割を果たすのが食物繊維だが、日本人の食物繊維摂取量は減少傾向にあるとされる。
「腸の中には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌という腸内細菌がいる。乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌をいかによく働かせるかがポイントで、発酵食品も大事だが、善玉菌の餌となる食物繊維を積極的に摂取したい」
国が推奨する食物繊維摂取量の目標(1日当たり)は成人の男子で21グラム以上、女子で18グラム以上だ。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がある。小林院長は「水溶性は消化のスピードと血糖値の上昇を穏やかにする。不溶性は腸のぜん動運動を活発にし、排便をサポートする。両方の食物繊維を豊富に含む食材を日々の食材に取り入れることが大切だ」と説明する。小林院長はリンゴについて「どちらの食物繊維もバランス良く取ることができる」と言う。日本食品標準成分表(2020年)によると、リンゴの水溶性食物繊維は0・5グラム、不溶性食物繊維は1・4グラムとなっている。
「プロシアニジン類がメタボリック症候群や糖尿病の予防効果が期待されるアッカーマンシア菌を増加させるというマウス実験の結果も発表されている」と話す小林院長が薦めるのが、「ホットケーキ・リンゴソテー添え」だ。ホットケーキミックスに牛乳と卵を混ぜて焼く。5ミリ幅に切ったリンゴを、フライパンに引いたバターが溶けたら並べて焼き、ホットケーキに乗せる。ポリフェノール成分が減らないように、さっと火を通すのが料理のこつだ。
医師が薦めるメニュー「リンゴとニンジンのジュース」
◇1日1個で健康維持を
イシハラクリニック(東京)の石原新菜副院長は「最近注目されているのが、『脳腸相関』という言葉だ」と話す。ストレスやうつ症状など脳に関係するものと、腸内活動が関係しているとみる考え方だ。
アジアでは、その土地にあった食材を食べると健康を保てるという「身土不二(しんどふに)」という食の思想がある。
「身土不二は、その土地の旬の食材を食べるのが健康に良いとする。日本人にぴったりの果物がリンゴだ。例えば、リンゴに含まれるカリウムには、むくみの原因となる過剰な塩分(ナトリウム)を尿として排せつする機能がある。その上、リンゴはどこでも簡単に手に入る」
「1日1個のリンゴで健康維持を」と言う石原副院長が日々、実践しているのが、「リンゴとニンジンのジュース」だ。水洗いしたリンゴ1個とニンジン2本を皮付きのままざく切りにし、ジューサーにかける。ミキサーを使う場合は、水200ミリリットル以上を加えると良いバランスになるという。
毎日、2人の娘と一緒に飲んでいる石原副院長は「娘たちはアレルギー疾患やアトピー性皮膚炎などにかかったことがない。私も風邪を引くことがめったにない」と語る。(鈴木豊)
(2023/11/22 05:00)
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