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~トラブル増で専門家警鐘~
夏休みに子どもと一緒に初めて海外旅行をする家族も多いだろう。しかし、気候や風土、食べ物などあらゆることが異なる外国の環境が子どもに与える影響は思ったよりも大きい。旅先での子どもの病気に詳しい日本医科大学多摩永山病院(東京都多摩市)小児科の松本多絵医師は「子どもの旅先のトラブルで一番多いのが発熱と腹痛です」と指摘する。
▽市販の水にも注意
急な発熱は子どもの常なので解熱剤はもちろんだが、整腸剤や持病の薬も用意しておきたい。突然、発熱したら、ホテルなどで氷をもらってポリ袋やタオルにくるみ頭部や脇の下、太ももの付け根などを冷やすといい。排尿の量が減ってぐったりする脱水症状には経口補水液を飲ませるのが効果的だ。ない場合でも1リットルの水に一握りの砂糖と一つまみの塩で同等のものができるという。
松本医師は「氷も危ないので、(レストランなどで)飲み物を頼むときは氷を入れないよう(店員に)言った方がいいでしょう」と話す。
▽予防接種も忘れずに
感染症にも油断は禁物だ。東南アジアやアフリカなどにはジフテリアやマラリア、日本脳炎、狂犬病、デング熱、ジカ熱などが存在する。外務省のホームページで訪問先での注意すべき病気を確認し、予防接種が必要なものは渡航前に済ませておくことが必須だ。
蚊やダニが媒介する感染症には「ディート」という成分が入った虫よけ剤がよく効く。ただ、6カ月未満の乳児の場合はディートではなく、皮膚刺激性がないとされている「イカリジン」入りのものを選ぶとよい。「虫よけ剤と日焼け止めを併用する場合は日焼け止めを塗った後30分以上空けてから虫よけ剤を塗ってください」と松本医師。
狂犬病は猫やサル、モルモットなど他の哺乳類も感染している可能性がある。動物と触れ合う施設でも子どもを安易に近づかせないことだ。松本医師は「せっかくの家族旅行を楽しい思い出にするため、万全の準備をして、現地では子ども中心に考えながら行動しましょう」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2018/08/09 09:50)
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