マラリア〔まらりあ〕
マラリアの流行地は、アフリカ、南米、東南アジアなどの熱帯・亜熱帯地域で、年間3億~5億人が感染し、数十万人が死亡していると推定されています。日本人の感染者はすべて海外からの持ち込み例で、毎年数十例が報告されてきました。直近の4年間は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行により旅行者が急減していたため、年間10人以下にまで減っています。しかし、2024年から旅行者数が回復してきたことから、再びマラリアの持ち込み増加が予測されます。
マラリアには熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵形マラリアの4種類がありますが、死亡する悪性のマラリアは熱帯熱マラリアだけです。さらに野生猿のもっているマラリア原虫の一部で人に感染するものがあります。
いずれもハマダラカに刺されて感染します。
[症状]
蚊に刺されて皮膚内に注入されたマラリア原虫は、血管を探し当てて血流に乗り特異的に肝臓に侵入、ここで数日間発育し数千倍に増殖します。その後、原虫は赤血球に移動し2日ごとに10倍10倍とふえてゆきます。周期的な発熱が起き、ついで貧血、脾腫(ひしゅ)が生じます。
発熱の周期はマラリア原虫の種類によって異なり、熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、卵形マラリアは48時間ごと、四日熱マラリアは72時間ごとに発熱がみられます。熱帯熱以外のマラリア原虫は新鮮・幼弱な赤血球に感染するため、全赤血球のせいぜい2%程度までの感染です。いっぽう、熱帯熱マラリア原虫は幼弱赤血球だけでなくどの赤血球にも侵入し増殖するため、診断が遅れると全赤血球の半分ほども原虫におかされてしまいます。そのため最初の発熱があってから5日以内に適切な治療を開始しないと、脳性マラリア、出血症状、神経症状、腎不全などを併発して死に至ることがあります。
[治療][予防]
特殊な薬が必要ですので、専門の医師に相談してください。そのとき、医師に熱帯・亜熱帯の海外から帰国したことを必ず伝えましょう。滞在した地域によって、効く薬が異なることがありますので滞在場所は必ず伝えてください。
三日熱マラリア原虫と卵形マラリア原虫は肝臓の中で休眠している原虫があるため、治ってからもたびたび発熱をくり返すことがあります。このため種類の異なる薬をさらに追加して使います。感染した原虫の種を確かめたうえで治療を受けてください。
予防としては、蚊に刺されないように気をつけることです。
【参照】感染症:マラリア
マラリアには熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵形マラリアの4種類がありますが、死亡する悪性のマラリアは熱帯熱マラリアだけです。さらに野生猿のもっているマラリア原虫の一部で人に感染するものがあります。
いずれもハマダラカに刺されて感染します。
[症状]
蚊に刺されて皮膚内に注入されたマラリア原虫は、血管を探し当てて血流に乗り特異的に肝臓に侵入、ここで数日間発育し数千倍に増殖します。その後、原虫は赤血球に移動し2日ごとに10倍10倍とふえてゆきます。周期的な発熱が起き、ついで貧血、脾腫(ひしゅ)が生じます。
発熱の周期はマラリア原虫の種類によって異なり、熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、卵形マラリアは48時間ごと、四日熱マラリアは72時間ごとに発熱がみられます。熱帯熱以外のマラリア原虫は新鮮・幼弱な赤血球に感染するため、全赤血球のせいぜい2%程度までの感染です。いっぽう、熱帯熱マラリア原虫は幼弱赤血球だけでなくどの赤血球にも侵入し増殖するため、診断が遅れると全赤血球の半分ほども原虫におかされてしまいます。そのため最初の発熱があってから5日以内に適切な治療を開始しないと、脳性マラリア、出血症状、神経症状、腎不全などを併発して死に至ることがあります。
[治療][予防]
特殊な薬が必要ですので、専門の医師に相談してください。そのとき、医師に熱帯・亜熱帯の海外から帰国したことを必ず伝えましょう。滞在した地域によって、効く薬が異なることがありますので滞在場所は必ず伝えてください。
三日熱マラリア原虫と卵形マラリア原虫は肝臓の中で休眠している原虫があるため、治ってからもたびたび発熱をくり返すことがあります。このため種類の異なる薬をさらに追加して使います。感染した原虫の種を確かめたうえで治療を受けてください。
予防としては、蚊に刺されないように気をつけることです。
【参照】感染症:マラリア
(執筆・監修:自治医科大学 名誉教授 松岡 裕之)