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昔から自家中毒といわれてきた周期性嘔吐(おうと)症は別名「アセトン血性嘔吐症」とも呼ばれ、就学前の子どもに多い。帝京平成大学(東京都豊島区)健康メディカル学部健康栄養学科の児玉浩子教授は「成長とともに治まるので、慌てないことです」と話す。
嘔吐の他、頭痛や腹痛、冷や汗を伴うことも
▽冷や汗や頭痛、腹痛も
周期性嘔吐症は、5歳前後の子どもに多く発症する。普段は元気なのに急に顔色が悪くなり、何度も吐いてぐったりとする嘔吐発作が数時間から4、5日続き、その後ケロッと回復するのが特徴だ。児玉教授は「病名の通り、周期的に同じような症状が起こり、冷や汗や頭痛、腹痛を伴うことがよくあります」と説明する。血圧が高くなったり脱水症状が表れたりする危険もあるが、後に残るような合併症は生じないという。
詳しい原因は分かっていないが、ストレスが引き金になることもある。ストレスと聞くと、嫌なことや避けたいことなど負のイメージを想像しがちだが、楽しみにしている行事もストレスになり得る。子どもは心理的な対処がうまくできないため、体の症状として表れるというのだ。「他には、チョコレートやアイスクリームなど刺激の強い物を食べたり、風邪を引いたりして起こる場合もあります」
周期性嘔吐症は、大人の片頭痛と関連が深いと考えられている。実際、大人になり片頭痛に移行するケースは約30%に上るという。
▽内服薬や点滴が有効
周期性嘔吐症は、他に原因となる病気がなく、かつ周期的に嘔吐発作が起こることが診断基準となる。血中や尿中にアセトン体(ケトン体)という物質の増加が見られるが、長時間の空腹や体調不良でも増える可能性があるため、診断の確定にはつながらない。
嘔吐や吐き気を止める薬とブドウ糖の点滴で症状は改善するが、ひどくなると入院が必要になるケースもある。心理的な要因が強い場合は、心理テストやカウンセリングを行う。児玉教授は「思春期前には治る病気なので、あまり深刻に考えないように」と話す。
周期性嘔吐症と診断されたら、引き金となる食べ物やストレスを避けるのはもちろん、長時間空腹にさせないというのもポイントだ。
児玉教授は「何日も嘔吐が続くようなら、早めの受診を」と促し、「受診の際は、直前に食べた物や、発症につながりそうなストレスをメモして行くと、スムーズな診断につながります」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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