一流に学ぶ 減量手術のパイオニア―笠間和典医師

(第4回)
ブラジルとの縁が引き寄せた
減量外科手術への道

 ◇突然かかってきた依頼の電話

 着任した翌年の2001年、病院にいる笠間氏の元に、見知らぬブラジル人の女性から電話がかかってきた。減量のため、腹腔鏡による胃バイパス手術を受けたいので、笠間氏に執刀してほしいという。

 「僕がハワイにいた時に登録していたサイトで、英語が話せて腹腔鏡手術ができる医師という条件で検索して僕を見つけたそうです」

 そのブラジル人女性は、群馬県大泉町に住んでいた。減量手術をしてくれる医師を探し求め、全国14の大学や大病院に連絡して断られていたという。

 「ブラジル人というだけで相手にされない病院もあったと聞くと、何とかして力になりたいと思いました。ブラジルは学生時代に行って、お世話になった国ですし」

 しかし笠間氏自身、減量手術はハワイにいた時に開腹手術を受けた人に会ったことがあるという程度だった。

 「僕は肥満の手術のことも胃バイパス術のことも知らない、それでもいいですかと聞くと、それでもいいから話を聞いてほしいというので、外来に来てもらうことにしました」(ジャーナリスト・中山あゆみ)

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一流に学ぶ 減量手術のパイオニア―笠間和典医師