減量手術のパイオニア―笠間和典医師|一流に学ぶ
新分野を切り開くパワーの源は
ダイエットは食事と運動が基本だといわれる。だが、体格指数(BMI、体重キロ÷身長メートルの2乗)が35を超えるほどの高度肥満になると、生活習慣の改善だけでは限界がある。例えば身長が160センチなら、90キロを超えるような人の場合だ。海外では胃を小さくして食べる量を減らしたり、腸を短くして栄養吸収を抑えたりする減量手術が普及しているが、まだ日本ではその存在すら知らない人が多い。
四谷メディカルキューブ(東京都千代田区)減量・糖尿病外科センターの笠間和典センター長は日本で初めて、腹腔(ふくくう)鏡下胃バイパス術による減量手術を実施し、世界各地で公開手術を行うパイオニア。現在、国内で行われる減量手術の半数以上を笠間氏らのチームが手掛ける。新たな分野を切り開くパワーは、どこから湧いてくるのだろうか。(ジャーナリスト・中山あゆみ)
笠間和典(かさま・かずのり) 1965年前橋市生まれ。90年群馬大学医学部卒業、同大麻酔・蘇生科に入局。94年大阪大学特殊救急部、95年から亀田総合病院(千葉)。2000年堀江病院(群馬)に移り、02年日本初の腹腔鏡下胃バイパス術による減量手術を行う。06年から四谷メディカルキューブ減量・糖尿病外科センター長。国際肥満代謝外科連盟理事、アジア太平洋肥満代謝外科学会前理事長、日本内視鏡外科学会理事、日本肥満症治療学会理事、大分大学外科臨床教授。