女性アスリート健康支援委員会
中高生のスポーツ女子が健康を守るための基礎知識
思春期になると、男女とも体に変化が現れ、大人の姿に近づいていきます。女子の場合、初めての月経(初経)を迎える時期は個人差が大きいものの、平均で12歳。それから1~2年たち、月経がほぼ毎月、安定して来るようになります。
15歳になっても初経が来なかったり、月経が3カ月以上止まる「無月経」が続いたりすると、医学的には要注意サイン。スポーツを頑張っている中高生の場合、トレーニングのしすぎや食事による栄養が足りないために、体に必要なエネルギーが不足している恐れがあり、放っておくと健康を損ない、その影響がさまざまな形で尾を引くことがあります。
つらい月経痛などの症状も、産婦人科の先生に相談した方がよい場合があります。聖路加国際病院副院長の産婦人科医、百枝幹雄先生に、健康のバロメーターである月経に関する基礎知識と、スポーツ女子にとっての望ましい対応を聞きました。(3回連載)
百枝 幹雄(ももえだ・みきお) 1984年東大医学部卒。米国の国立衛生研究所に留学した経験もある産婦人科医で、2010年から聖路加国際病院(東京都中央区)女性診療部長を務め、12年から副院長を兼務。日本産科婦人科学会や日本スポーツ協会など5団体でつくる「女性アスリート健康支援委員会」の理事として、女性アスリートの健康を守るための活動に取り組む。