ぎっくり腰〔ぎっくりごし〕 家庭の医学

 中腰の動作や長時間の同じ姿勢のあと、ぎっくり腰を起こすことがあります。動くことができないほどの腰の痛さです。ぎっくり腰や腰痛は、ひざの下に座布団を折り重ね、ひざと背中を曲げる姿勢で寝ると痛みは少ないようです。
 激痛のため、神経や骨をいためたのではと不安になりますが、腰の筋肉や靱帯(じんたい)をいためたものが多いようです。寝たり起きたり、立ったり座ったりなどで激しい痛みを感じます。いったん、起きたり立ったりすれば痛みはほとんど消えます。
 これまでぎっくり腰や腰痛では安静がいちばんでしたが、最近は、できるかぎり起きることで早くよくなるといわれています。

□痛みなく起きる方法
 1.仰向けからゆっくり横向きに(左右どちらが下でもよい)になります。
 2.ひじと手で横向きに起き上がり、腰かけ姿勢に。痛みがあっても一気に起き上がります。痛みが強いときは、他人に肩の横か側頭部を押してもらいます。
 3.腰かけ姿勢ですこしずつしりを前にずらし、足の裏全体を床につけます。
 4.足、ひざ、下腹に力を入れ、からだが前かがみにならないように、腰を水平移動するように立ち上がります。このとき、ベッドや他人の肩を支えにしてもかまいません。

□痛みを緩和する1つの方法
 下腹部にさらしや腰椎バンドをきつめに巻きます。へその下に巻くことが大切で、下腹部をへこませてから巻きます。ぎっくり腰のときに、もんだりたたいたりすると、かえって痛みが悪化することがあります。痛みがひどかったり、2~3日してもよくならないときは整形外科を受診します。

(執筆・監修:八戸市立市民病院 事業管理者 今 明秀)

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