治療・予防

高齢化でさらに増加 =農作業による腰痛

 農業の職業病とも言われる腰痛は従事者の高齢化が進むとともに深刻な問題となっている。主な原因は同じ姿勢で長時間作業を続けることや繰り返しの動作にある。滋賀医大(大津市)社会医学講座衛生学部門の垰田和史(たおだ・かずし)准教授に聞いた。

 ◇約半数が腰痛とも
 農林水産省の調査では2014年時点の日本の農業従事者数は約226万人、平均年齢は66・7歳。滋賀医大が長野県で主に白菜を出荷する農業従事者300戸を対象にアンケート調査をしたところ、平均年齢は51・8歳で、約半数が腰痛の問題を抱えており、6人に1人が治療中と回答した。

 腰痛の原因となる作業内容は、例えば白菜の場合、出荷に伴う重量物の運搬、苗の植え付けや収穫時に中腰の姿勢でしゃがみ、腰を曲げ背中を丸める姿勢を長時間続けるといったものだ。背中や腰の筋肉は常に緊張しており、さらに同じ姿勢での長時間の作業が長い年月に及ぶと、脊椎の間の椎間板が変形して飛び出す脊椎椎間板ヘルニアや、筋肉やけんなどが炎症を起こす疲労性腰痛が生じやすくなるという。

 「中腰でしゃがむ姿勢は、背骨から骨盤の内側を通り大腿(だいたい)骨につながる腸腰筋の働きにも支えられています。腸腰筋が緊張している状態から立ち上がる動作に移る時には、通常よりも大きな力を発揮する必要があります。この時、重い荷物を持ち上げると急性腰痛症、いわゆるぎっくり腰を起こしやすくなるのです」と垰田准教授は話す。

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