先天性股関節脱臼〔せんてんせいこかんせつだっきゅう〕 家庭の医学

 股関節が生まれつきはずれている病気です。乳児期に見つかり治療すれば問題ありませんが、放置すれば股関節の痛みが出たり、跛行(はこう)から歩行困難になります。乳児健診でのチェックが重要です。

[症状]
 乳児期には、あきらかな症状はありません。いっぽうの足が短い場合、両足をおなかと90°の角度に曲げ、外側に開いていくと、途中で開かなくなったり、カキッというような音がする場合は、股関節脱臼を疑って、X線検査をおこないます。歩けるようになってからは、おしりを突き出すようにして、跛行します。

[治療]
 両足を伸ばしきった位置で固定することは、股関節脱臼を起こしてくる危険性があるので、おむつをきつく巻かないようにして、足が自由に動くようにします。四つんばいのように、足を曲げている状態が股関節にとってはいいので、脱臼が疑わしい場合は、なるべく足を曲げた状態にしておきます。
 脱臼と診断されたら、リーメンビューゲルの装具をつけ、大腿(だいたい)部をおなかと90度に曲げた位置に固定します。
 大多数は股関節が自然に整復され、抜けなくなりますが、2~3カ月つけることもあります。これで整復されないときは、手術で整復します。

【参照】骨・関節・脊椎・筋肉の病気:先天性股関節脱臼

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