顔面けいれん〔がんめんけいれん〕 家庭の医学

 顔面けいれんは中年期以降に発症する、顔面筋の不随意運動です。じっとしていても、右あるいは左の目をギュッとつぶり、同時にその側の口にもけいれんが起こります。1日中みられ、特に緊張するとひどくなります。自動車の運転中に起こると立体視ができず、車間距離がわからないので危険です。
 原因は、脳幹から顔面神経が出るところ(神経根入口部)で動脈あるいは腫瘍に圧迫されるためです。ほとんどは動脈が動脈硬化で延長、蛇行し、神経を圧迫しています。
 診断はMR脳槽撮影で顔面神経を調べ、なにが圧迫しているかをあきらかにします。
 治療はけいれんをしずめる薬、たとえばカルバマゼピンなどの内服が有効です。また脳外科的には顔面神経と圧迫している動脈とを離して、間にスポンジを入れることにより完治します(ジャネッタ手術)。

(執筆・監修:一口坂クリニック 作田 学)