便秘がちなときの対応

  基本は、繊維の多い食品、海藻類や野菜(熱を通すと量が少なくなるので、結果的にたくさんとれる)を献立に加え、便秘を予防します。食物繊維が含まれている飲料を利用することもできます。
 排便の習慣は個人によって異なりますが、排便が困難で3日以上も便が出ないときは、排便をうながす方法を考えます。
 寝たきり状態のときには、腸の動きが弱っていたり、腹圧がかけられなかったりするため、便秘がちになります。便をやわらかくして、自然の排便をうながすような薬をのませることも必要かもしれません。医師に相談し、便秘にならない工夫をすることが大切です。

■便秘のときの解決方法
 便秘のときには、排便をうながす方法として、緩下剤をのませる、排便をうながす坐薬を肛門から入れる、浣腸(かんちょう)をする、摘便をする(指でかたい便のかたまりをかき出す)ことなどがあげられます。浣腸をすると、高齢者などはそのあと下痢が続いたりもしますので、日ごろの注意が大切です。

■坐薬を用いる方法
 とがった側の坐薬の先端にワセリンか油などを塗り、肛門から静かに人さし指の第2関節くらいまで挿入し、しばらくティッシュペーパーなどで押さえます。使い捨てのビニール手袋がなければ、ビニール袋の角に人さし指がくるようにして、手にかぶせておこなうとよいでしょう。

■浣腸
・グリセリン浣腸…プラスチック製の容器に50%のグリセリン液が入っており、そのまま浣腸できます。30mL入りのもの(いちじく型)から120mL入りのものがあり、医師に相談し処方してもらいます。
 浣腸液を容器のまま体温程度のお湯であたためます。からだの左側を下にし、横向きにします(結腸下部が左側に位置するため、液が流れやすくなります)。ビニールを敷きますが、紙おむつがあれば紙おむつがよいでしょう。
 容器の挿入部分に、約7~8cmくらいワセリンか食用油などを塗ります。肛門を確認し、6~7cm挿入します(5cm以下だと肛門括約〈かつやく〉筋を刺激し便意が早まる可能性がある)。入りにくいときは、療養者に口をあけて軽く腹式呼吸をしてもらうと、肛門の筋の緊張がとれて挿入しやすくなります。そして液を注入します。
 高齢者の場合には、肛門の括約筋がゆるんでいるため液が漏れてしまうことが多く、臀(でん)部をやや高くしたり、ティッシュペーパーで肛門を軽く押さえます。グリセリン液の注入が終わったら、チューブを抜いて3~5分がまんさせます。効果を得るには少なくとも3分以上は排便をがまんしてもらうことが必要です。

□浣腸のとき注意すること
 注入液の温度を守ります。冷たいとさむけが起こることがあり、45℃以上にすると腸粘膜の炎症を起こします。
 また、顔いろが青くなったり、不快感がないかどうか確認します。肛門部には自律神経が多く分布しており、刺激によって血圧が低下することがあります。もし顔いろが蒼白(そうはく)になったり、冷や汗などの症状がみられたら、ふとんなどをまるめて両足を乗せ、足を高くします。
 浣腸容器の先を無理に力ずくで挿入してはいけません。

□摘便
 便が異常にかたくなり、浣腸をしても出ないときには、使い捨ての手袋をはめたり人さし指にやわらかなビニール袋などをかぶせ、ワセリンや食用油などを塗り、静かに肛門から指を入れてすこしずつ便をかき出します。

■便のにおいが強いときの工夫
 異常発酵によって、においが強いことがあります。このようなときには、ヨーグルトや乳酸菌の入った飲料をとることをすすめます。