感覚機能の老化〔かんかくきのうのろうか〕

 視力、聴力、嗅覚、味覚、いずれも低下します。
 視力は50歳以降には本を目から遠く離さないと見えにくくなるなど、老視といわれる状態になります。暗順応も低下し、目測を誤ったり、字が読みにくくなります。読書などに必要な光量は青年の10倍必要とされています。
 聴力は高い音が聞きとりにくくなり、同時に2つ以上の音から必要な内容を聞きとる弁別能が低下します。
 嗅覚も加齢とともに低下し、特に認知症ではガスのにおいなどに気づきにくくなるため、注意が必要です。
 味覚のなかでは、塩味を感じる力が老化によってもっとも低下します。このため塩分を多くとっても塩辛いと感じず、多量の塩分を摂取してしまい高血圧の原因になっていることがあります。塩味以外も味覚感度が低下し、古い食べ物の異常に気づかないことがあるので注意が必要です。
 感覚機能の低下は、認知機能低下の悪化因子(リスク)であることがわかってきました。

(執筆・監修:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 理事長/国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 理事長特任補佐 鳥羽 研二)
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