音響外傷による難聴〔おんきょうがいしょうによるなんちょう〕
音による難聴には、強大音響(約110dB以上)を聞いた直後から生じる音響外傷と、うるさい環境で長年生活することで生じる騒音性難聴があります。後者は職業性難聴と呼ばれ、銅や鉄やフライパンをつくる職人、鉱山や地下鉄工事で削岩機を使う労働者に生じる職業病です。労働環境が改善されたこと、耳栓で予防することなどで、音響外傷による難聴はわが国では激減しています。しかし、現代でもモバイルのイヤホンなどで長時間音楽を聞くことで徐々に難聴が出現することがわかってきました。若いうちにすこしでも難聴が生じると、加齢に伴い難聴がさらに悪化することから警鐘がならされています。
また、強大音響を聞いたときに急性難聴が生じることもあります。たとえば、ロックコンサートのスピーカーのすぐそばで大音量のロック音楽を聞いた直後に生じるようなものです。c5ディップと呼ばれる4kHz周囲で聴力が悪化した軽度の難聴の場合は比較的治りやすいのですが、全周波数が障害された場合は治りにくいのが特徴です。
[治療]
騒音性難聴は、耳栓などでさわがしい音を聞かないように予防することが重要です。急性音響外傷では、副腎皮質ステロイド薬を中心とした薬物療法をおこないます。
また、強大音響を聞いたときに急性難聴が生じることもあります。たとえば、ロックコンサートのスピーカーのすぐそばで大音量のロック音楽を聞いた直後に生じるようなものです。c5ディップと呼ばれる4kHz周囲で聴力が悪化した軽度の難聴の場合は比較的治りやすいのですが、全周波数が障害された場合は治りにくいのが特徴です。
[治療]
騒音性難聴は、耳栓などでさわがしい音を聞かないように予防することが重要です。急性音響外傷では、副腎皮質ステロイド薬を中心とした薬物療法をおこないます。
(執筆・監修:東京逓信病院 病院長 山岨 達也)