副鼻腔真菌症〔ふくびくうしんきんしょう〕

 いわゆるカビのことを真菌といいますが、真菌がなんらかの原因で鼻腔から副鼻腔内に入り炎症を起こしたものが副鼻腔真菌症です。

 一般には糖尿病や悪性腫瘍、血液の病気など全身の病気をもつ人がかかりやすく、また抗菌薬や副腎皮質ステロイド薬の頻繁な使用も原因といわれていましたが、近年はそのような要因のないごくふつうの人でも発症することがあり、増加しつつある病気の一つです。
 一側の上顎洞(じょうがくどう)や蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)に起こることが多く、症状は鼻閉(びへい)、粘稠(ねんちょう)で、時として血液がまじっている鼻漏(びろう)、頬(きょう)部の痛みなどです。悪性腫瘍(特に上顎がん)との鑑別が重要となることがあり、専門医での診察が必要となります。
 治療は手術が主ですが、最近は内視鏡による手術がふえています。術前後に抗真菌薬の内服または点滴が必要になることがあります。

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