急性副鼻腔炎〔きゅうせいふくびくうえん〕 家庭の医学

[原因][症状]
 細菌感染によって起こる副鼻腔の炎症で、かぜにひき続いて起こることが多い病気です。症状は頬(きょう)部痛、前頭部痛が多く、鼻漏(びろう:鼻汁)は膿性となるのが特徴です。通常発熱はありません。

[治療]
 基本的に保存的治療で改善が期待できます。すなわち抗菌薬の内服で治ることが多いのですが、病変が重症で長びく場合は専門医の治療が必要です。その場合、鼻腔内に貯留している鼻漏を吸引除去し、粘膜のはれをひかせる処置(鼻処置といいます)をしたうえで、抗菌薬や粘液溶解薬(鼻漏の粘稠〈ねんちゅう〉性を低めて排出しやすくする薬)を霧にしたものを鼻内に吸引させる治療(ネブライザー療法)をおこないます。
 なかには、副鼻腔(ここでは上顎洞〈じょうがくどう〉や前頭洞〈ぜんとうどう〉がおもです)と鼻腔との交通(つながっている箇所)が粘膜のはれによりふさがってしまい、うみが鼻漏のかたちで鼻腔から排出されなくなり重症化することがあります。このような場合には、鼻腔から針を上顎洞に刺し、洞内にたまったうみを洗い流す(上顎洞穿刺〈せんし〉洗浄)処置や鼻内副鼻腔手術が必要になることがあります(近年、上顎洞穿刺はあまりおこなわれなくなりました)。
 しっかりと治療しておかないと同じ症状をくり返すことや、慢性副鼻腔炎に移行してしまう場合があるので注意が必要です。

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