肉腫〔にくしゅ〕

 肉腫はがん腫にくらべて口の中に発生することは少ないのですが、骨肉腫、軟骨肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫、悪性黒色腫、悪性リンパ腫などさまざまなものがあります。あらゆる年代にみられ、性差もありません。一般にがん腫より悪性で発育が早く、また肺、骨、肝臓などへの全身転移も起こしやすいのが特徴です。治療は外科的治療が主体で、肉腫の性質により化学療法がおこなわれます。

■骨肉腫、軟骨肉腫
 顎骨腫瘍を参照ください。

■線維肉腫
 線維芽細胞から発生するもので肉腫のなかでは若年者に多いものの、性差はありません。
 上あご後方部、ほおの粘膜、舌に多く発生します。初期には痛みを伴わないふくらみとしてみられますが、進行するにつれて知覚異常や痛みが出現します。治療は外科的広範囲切除がおこなわれます。

(執筆・監修:東京大学 名誉教授/JR東京総合病院 名誉院長 髙戸 毅)
(執筆・監修:自治医科大学附属さいたま医療センター 総合医学第2講座 教授〈歯科口腔外科学〉 森 良之)
(執筆・監修:田賀歯科医院 院長/JR東京総合病院 歯科口腔外科 田賀 仁)
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