二次性心筋症〔にじせいしんきんしょう〕

 拡張型心筋症と同様に、心臓が拡大して正常な収縮する力を失ったものですが、心臓以外のなんらかの原因あるいは全身的な病気の症状のあらわれとして出てきたものを二次性心筋症といいます。
 よく知られているものとして、アルコールによるもの(アルコール性心筋症)、抗がん薬によるもの、妊娠や出産後にみられるもの(産褥〈さんじょく〉心筋症)があげられ、また神経筋疾患(筋ジストロフィーなど)、膠原(こうげん)病、サルコイドーシス(心サルコイドーシス)やアミロイドーシスなどによるものもあります。

[症状]
 症状は拡張型心筋症と同様であり、運動時の息切れや不整脈の発作などがみられることがあります。

[診断][治療]
 これらの原因との因果関係を調べることにより推定できますが、はっきりと因果関係を証明できないこともあります。しかしアルコール性心筋症などは、禁酒により著明に改善することがあり、大量飲酒の履歴などについてもきちんと専門医に話をすることが大切です。
 また、ほかの全身性疾患などに伴うものの場合には、もとになった病気の治療により、心筋症が改善することもあります。

(執筆・監修:公益財団法人 榊原記念財団 附属 榊原記念病院 副院長/榊原記念クリニック 院長 井口 信雄
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