背痛、腰痛〔はいつう、ようつう〕

 重量物の持ち上げやハンマーやスコップでの作業をおこなう労働者のみではなく、最近では病人や介護人を抱きかかえる作業をおこなう医療・介護関係者に、急に背中や腰が痛くなり、ひどいときにはその場に倒れ動けなくなります。ぎっくり腰と呼ばれるものです(ぎっくり腰の手当て)。
 腰痛の治療では、あまり安静にしないことが大切です。安静にした人と、痛いながらも安静にせず、起きてできるかぎりの日常生活をした人をくらべると、動いていた人のほうが職場復帰や痛みがおさまるのが早いことがわかってきたからです。
 治療などについては「骨・関節・脊椎・筋肉の病気」の腰痛症を参照してください。就労前とあとに体操をおこない、腰部の筋や関節の柔軟性を高めておくことは重要で予防になるといわれています。また義務ではなく、行政指導として腰痛健診が推奨されています。

(執筆・監修:八戸市立市民病院 事業管理者 今 明秀)
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