政府は1日に公表する「こども未来戦略方針」の素案に、小中学校での給食の実施状況や地方自治体による無償化の現状について、全国規模の実態調査を「速やかに行い、1年以内にその結果を公表する」と盛り込む方針を固めた。その上で、「課題の整理を丁寧に行う」とし、無償化の実施時期は明記しないこととした。
 政府は同日夕に「こども未来戦略会議」を開き、戦略方針の素案を示す。
 小中学校の給食費を巡っては、自民党の茂木敏充幹事長が3月に無償化を目指す考えを明らかにした。その一方、政府・与党内には「年間5000億円かかる。優先すべき施策ではない」(自民党中堅)といった慎重論もあった。
 学校給食費は現在、自己負担が原則だが、自治体によっては独自に無償化を実施している。しかし、そもそも給食を提供していない自治体もあり、無償化した場合、実施している自治体との間で不公平感が生じるとの指摘も自治体関係者から出ていた。このため素案では、「小中学校の給食実施状況の違い」といった課題について整理を進める考えを示す。
 一方、公教育全体の在り方に関しては「再生に向けた取り組みを着実に進めていくことが重要」と明記。「質の高い公教育」を再生することで、基礎教育にかかる子育て家庭の負担感の軽減を図る姿勢を打ち出す方針だ。 (C)時事通信社