厚生労働省は1日の閣議で、2023年版厚生労働白書を報告した。新型コロナウイルスの流行や単身世帯の増加で人々の交流が希薄化し、引きこもりやひとり親など困り事を抱える人が増えたと指摘。住民が集まる「居場所」を設けるなど、つながり支え合う地域社会をつくる重要性を強調した。
 少子高齢化が進む中、全世帯に占める単身世帯の割合は1990年の23.1%から、2020年は38.0%に増加。コロナ禍も相まって、生活困窮、ドメスティックバイオレンス(DV)、高齢の親が中高年の子を養う「8050問題」、家族の介護を子どもが担う「ヤングケアラー」などの問題も顕在化している。
 さらに、育児と困窮を同時に抱えるひとり親や、従来の支援の対象に当てはまらず制度の隙間に落ちる引きこもりなど、問題が複雑化・複合化しているとした。 (C)時事通信社