国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)などは21日、出生時の体重が少ないほど、40~74歳で心筋梗塞などの心血管疾患にかかる割合が高いとの調査結果を公表した。高血圧糖尿病といった生活習慣病でも同様だった。
 同センターなどは、2011~16年に生活環境と生活習慣病の関連を調べる研究に参加した、秋田や長野など7県在住の40~74歳約11万人を対象にアンケート調査を実施。出生時の体重別に(1)3キロ台(2)2.5~3キロ未満(3)1.5~2.5キロ未満(4)1.5キロ未満―などのグループに分け、(1)を基準に各疾患を経験した割合を算出した。
 その結果、心血管疾患にかかった割合は体重が減るごとに増加し、(4)では1.76倍に上った。高血圧糖尿病でも同様の傾向で、(4)ではそれぞれ1.29倍と1.53倍だった。
 日本人について、出生時の低体重が生活習慣病のリスクになることが分かったのは初めてという。同センターは「日本では10人に1人が2.5キロ未満、100人に1人が1.5キロ未満で生まれている。低体重での出生を予防するため、妊娠前後の母親への適切なケアなどが重要だ」と指摘している。 (C)時事通信社