厚生労働省は24日、全国の病院や診療所の経営状況を調べた医療経済実態調査の結果を中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関、中医協)に報告した。2022年度の利益率は、医療法人の診療所で8.3%の黒字となり、黒字幅は前年度比1.2ポイント拡大。精神科を除く一般病院は6.7%の赤字だったが、新型コロナウイルス関連の補助金を含めると1.4%の黒字だった。
調査は、24年度診療報酬改定の基礎資料となる。今回は全国の病院1139カ所、診療所2272カ所などから回答を得た。同省は診療所の収益改善に関し「コロナ患者への対応が増えたため」と分析。一般病院に関しては「入院率が低迷し、水道光熱費なども増加した」とし、今後は物価高騰による利益率の悪化も見込んでいる。
調査によると、一般病院のうち、医療法人は1.3%、国立病院は8.7%、公立病院は19.9%のそれぞれ赤字だった。コロナに対応するため、政府は病床確保や感染防止対策に取り組む医療機関に補助金を支給しており、これを含めた場合、公立病院を除き黒字となった。 (C)時事通信社
法人診療所、8.3%の黒字=病院もコロナ補助で赤字脱却―厚労省調査
(2023/11/24 11:30)