【北京時事】中国が主催する初の「中国国際サプライチェーン(供給網)促進博覧会」が28日、北京市内で始まった。中国メディアによると、出展は515社で、うち26%は海外からの参加。中国は米国との対立を深めているものの、会場には半導体大手のインテルやクアルコムなど米国勢の姿が目立つ。一方、日本勢の参加はわずかにとどまったようだ。
 「中国はすべての国と緊密な供給網を築く用意がある」。ロイター通信によると、開幕式には李強首相が登壇し、こう訴えた。米企業では電気自動車(EV)大手テスラなどが出展。中国で利用が禁止されているグーグルもブースを構え、存在感をアピールした。
 中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は21日の記事で、米企業が博覧会に「熱烈な反応を示している」と自賛。中国として、米企業を重視していく考えを示した。
 日系ではオムロンやガラス大手AGCがブースを構えた。ただ、出展を見送った企業が大半で、日本勢の存在感は総じて薄い。中国では今年、反スパイ法が改正され、同法違反容疑で日本人の駐在員が拘束された。新型コロナウイルスの流行前に一部国籍を対象に認められてきた入国ビザの免除に関しても日本人に限り復活していない。北京に駐在する電機大手幹部は「日中双方で相手国への無関心が広がっている。中国はもはや日本を重視していない」と指摘した。
 博覧会は12月2日まで開催される。 (C)時事通信社