高校生(16~18歳)の子どもがいる家庭の扶養控除縮小について、児童手当の拡充分を合わせれば全世帯で差益が出ると政府が試算していることが6日、分かった。世帯の所得に応じて、差し引きで3.9万~12万円のメリットが出る。高校生への教育費支出が大きいことから、実質的負担が増えないように扶養控除の縮小幅を調整する。
 児童手当の支給対象を高校生まで広げるとともに、政府・与党は2024年度税制改正で、高校生を抱える家庭の所得税控除額を1人当たり年間38万円から25万円に、住民税を33万円から12万円にそれぞれ引き下げる方向だ。
 一方、高校生への児童手当支給額は原則月1万円、年間で12万円になる見込み。試算では、夫婦のうちどちらかが働き、高校生の子どもが1人いる家庭を想定。控除を縮小しても、児童手当の支給分を合わせると、給与収入が240万~558万円の家庭では現状に比べ9万2000円、558万~752万円では8万6000円、752万~1160万円では7万2000円の差益が出る。
 16~18歳に対する扶養控除は、養育する子どもの人数に応じて、所得税や住民税の負担を軽くする仕組み。現行の扶養控除を維持すると15歳以下の子どもと比べ高校生に対する支援だけ手厚くなるため、政府・与党は縮小する方向で検討を進めている。 (C)時事通信社