こども家庭庁は2024年度から、子どもの養育費の支払いを求めて調停や裁判を起こしたひとり親に対し、自治体を通じて弁護士への成功報酬を補助する。ひとり親家庭の負担を減らして生活を安定させ、自立を促す狙いだ。来年度当初予算案に反映させる。
 離婚調停を手掛ける弁護士によると、成功報酬は獲得できた養育費の1~2割を数年分請求するケースが多いという。例えば養育費が月5万円の場合、成功報酬は数千円から1万円程度になると想定され、こうした費用はひとり親の負担となっていた。また、負担を懸念して調停や裁判をためらうと、自立につながらない恐れもある。
 こども家庭庁はこれまでも、当事者向けの無料法律相談会を開く自治体を対象に、財政支援する事業を展開。この事業では、調停や裁判を起こしたひとり親に対して、自治体が弁護士への手付金を補助することも認めてきた。24年度は、対象外だった成功報酬への補助にも使えるようにする。
 ひとり親世帯の経済状況は厳しく、政府のこども未来戦略案は「約45%が相対的貧困の状況にある」と指摘。養育費の確保に向けて、弁護士への成功報酬に対する支援を行うことを盛り込んだ。 (C)時事通信社