能登半島地震で被災した女性が立ち寄れる「休憩所」を、石川県七尾市の内科診療所が開設している。コーヒーやお菓子を用意し、支援物資も配布。院長は「避難生活の中で一息つける場を提供したい」と話す。
 休憩所は1月10日、「ねがみみらいクリニック」の2階に開設された。ソファや自習用の机があり、1日に10人ほどの女性や子どもが、情報交換したり、お互いの悩みを聞いてもらったりしている。
 室内には医療関係者などから寄せられた食料品やサプリメントのほか、生理用品や下着などを置く。根上昌子院長(57)は「周囲の目のある避難所では女性が手に取りにくいものもある」と話し、LINEで女性向けの支援情報も提供する。
 根上院長は診療の合間、市内の避難所を回り、避難者に健康や栄養面の助言もしている。女性には性犯罪に遭わないようにするため、単独行動を避けることを周知し、防犯ブザーを配布。「悩んだら相談を」と呼び掛けている。
 東日本大震災などの経験を踏まえ、一連の取り組みについて助言した岩手県立大の福島裕子看護学部長は「長期化する避難生活では、性犯罪だけでなく、DV(家庭内暴力)も起こり得る」と指摘。「防犯を強化するとともに、女性が安心して過ごせたり相談できたりする場をつくっていく必要がある」と強調した。 (C)時事通信社