こども家庭庁は、親が保育所を探す「保活」の負担を軽減するため、民間アプリを活用し、見学予約や入園申請など一連の手続きをオンライン化する。アプリに登録すれば、紙の申請書が不要となり、スマートフォンで手続きが完了できるようになる。また、それぞれの家庭の状況に応じて自治体が点数を付け、各保育所に振り分ける作業も自動化し、入園可否の決定を迅速化したい考えだ。
 2025年10月ごろまでに仕組みを整備し、希望する全国の自治体が順次導入できるようにする。早ければ26年4月に入園する児童から使えるようになる。
 オンライン手続きを巡っては、自治体が独自に導入する例はあるが、多くの自治体では見学予約は電話、入園申請は紙で受け付け、申請書の体裁にもばらつきがある。同庁は全国統一の様式を定め、オンライン化を一気に進めたい考えだ。
 同庁は、全ての認可保育所や認定こども園の情報を集約したデータベースを構築。保育所情報を調べられる民間の保活アプリと連携させ、検索から見学予約、入園申請、可否通知までのやりとりを可能にする。入力された申請情報は、マイナンバーカードの個人向けサイト「マイナポータル」などを通じて自治体に届ける。
 自治体側の作業も効率化する。多くの自治体では、申請書の内容をパソコンに手入力。子どもが多い都市部では「ひとり親」「フルタイム勤務」「家族の介護中」といった条件で加点し、点数の高い順に各園に振り分けている。
 アプリによる入園申請が実現すると、手入力の作業は省ける。これに加え、同庁は点数計算などを自動化する全国一律システムの開発を企業に促す。
 同庁担当者は「オンライン保活は住民の利便性向上のため全国的に必要だ。将来的には幼稚園の預かり保育などの予約も同じアプリで可能にしたい」としている。 (C)時事通信社