保険診療の公定価格である診療報酬について、中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関、中医協)は14日の総会で、2024年度改定内容をまとめ、武見敬三厚労相に答申した。若手勤務医や看護職員、薬剤師らの賃上げのため入院基本料や初診料、再診料を引き上げるほか、使途を賃上げに限定した加算措置を導入。施行は6月で、医療機関の初診料は30円上がる。
24年度は医療、介護、障害福祉サービスの3報酬を見直す6年に1度の「トリプル改定」に当たる。政府は診療報酬のうち人件費に当たる「本体」部分を0.88%引き上げる方針を昨年末に決定。3報酬見直しで賃金水準が低い医療・介護従事者らの待遇を改善し、人手不足緩和を図る。
具体的には40歳未満の勤務医や薬局勤務の薬剤師、事務職員らの給与に充てるため、初診料、再診料をそれぞれ2910円(現在2880円)、750円(同730円)にアップ。初診料引き上げは消費増税時を除くと20年ぶり。入院基本料は1人1日当たり最大1040円上がる。
看護職員や保健師らは基本給引き上げなどを条件に、使途を賃上げに限定した加算を導入。賃金改善計画の策定や改善状況の報告を求める。 (C)時事通信社
賃上げ原資で初診料30円増=処遇改善で加算新設―24年度診療報酬・中医協
(2024/02/14 14:36)