総務省消防庁は12日、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」を活用した救急搬送の実証事業を35都道府県の67消防本部で行うと発表した。救急隊が患者の既往歴やかかりつけ医などの情報を正確に把握して、スムーズな搬送につなげる狙い。実証の結果を踏まえて、早期の本格運用を目指す。
 救急隊は搬送時、患者本人や家族らから既往歴などを口頭で確認している。ただ、本人が症状に苦しんで話せなかったり、家族が常用薬を把握していなかったりするケースも多い。
 実証は、67消防本部の計660隊を対象に、5月中旬から2カ月程度実施。本人の同意を得た上で、救急隊員が専用のシステムにアクセスし、患者の情報を確認。搬送先として受診歴のある病院を探すほか、持病などを医師に伝達する。意識がない場合は、例外的に本人の同意なしでも閲覧できるよう調整している。 (C)時事通信社