大阪大医学部付属病院は15日、脊髄が背骨や皮膚で覆われていない国指定難病「脊髄髄膜瘤(りゅう)」と診断された胎児の手術に成功したと発表した。母体の子宮を切開して実施する手法で成功したのは国内初という。
 手術は、同大大学院の遠藤誠之教授を中心とする共同研究グループが2021年4月~24年4月に6件実施。母親の腹部と子宮を切開し、胎児の脊髄などが露出した部分をふさいだ。
 手術は成功したが、1例目は早産による複数の合併症で生後約3カ月で死亡した。2~5例目の経過は安定しているという。6例目は現在も妊娠中。
 海外では胎児手術が普及しつつあるが、多様な専門医の連携が必要で、これまで国内では、生まれた後に治療する方法が取られてきた。胎児の段階で治療することで、脊髄の損傷が軽減できるという。 (C)時事通信社