住友化学は30日、2024年3月期連結業績予想について、純損失が従来予想の2450億円から過去最大の3120億円に拡大すると発表した。医薬子会社の住友ファーマで特許権の減損損失を計上することなどが響く。岩田圭一社長は経営説明会で「危機レベルの数値」と指摘。25年3月期はコスト削減の徹底で黒字に戻す考えで、「何としてもV字回復する」と強調した。
 住友ファーマは抗精神病薬「ラツーダ」の販売減などで苦境が続いており、人員や販売管理費、研究開発費の削減で止血を図る。住友化学は経営人材を派遣する方針で、岩田氏は「自主性を重んじていたが、踏み込んだ対応を取る」と説明。出資比率引き下げも選択肢に入るという。 (C)時事通信社