転倒したはずみなどで足の付け根が折れる大腿(だいたい)骨骨折は、筋力や骨密度の低下した高齢者を中心に年間15万人以上に及ぶ。早期の手術とリハビリが重要だが、運動機能が低下している場合は寝たきりになるケースもある。専門家は「日頃の運動習慣や骨粗しょう症検診の受診が重要だ」と指摘する。
人は大腿骨などで体を支えているが、股関節に近い頸部(けいぶ)とその下にある転子部は、転倒した際などに力が集中し、折れやすい。高齢者は心肺機能や免疫機能などが低下していることが多く、手術後の合併症や入院中の運動機能の低下によって日常生活への復帰が難しくなることがある。
治療では早期の手術やリハビリがカギとなるが、元通り歩けるようになるとは限らない。高齢女性に多い骨粗しょう症では、足をひねる程度で骨折することがあり、つまずきの防止など転びにくい生活環境を整えることが欠かせない。
済生会新潟県央基幹病院(同県三条市)の遠藤直人病院長(整形外科)は「日頃から健康な骨を保つことを心掛け、検診などで自分の体の状況をチェックすることや、運動習慣や栄養補給も重要だ」と話している。 (C)時事通信社
大腿骨の骨折、高齢者に多く=専門家「運動や検診重要」
(2024/10/08 20:35)