治療・予防

ランニングで起こりやすい膝痛
膝に負担をかけない走り方 帝京大学医学部付属病院整形外科 中川匠教授

 ランニングを習慣化している人に起こりやすい膝の痛み。痛みが出る部位や症状は人によってさまざまだ。ランニングを長く続けるための膝痛の対処法と予防法について、帝京大学医学部付属病院(東京都板橋区)整形外科の中川匠教授に聞いた。

痛みが起こる部位と原因

痛みが起こる部位と原因

 ▽休日ランナーは要注意

 ランニング中に起こる膝痛は主に三つあり、痛む場所によって原因はそれぞれ異なる。最も多いのは、膝の外側が痛む腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)炎で、「ランナー膝」とも呼ばれる。長時間、膝の曲げ伸ばし運動を行うことで、太ももの外側を覆う腸脛靭帯が太ももの骨(大腿骨=だいたいこつ)の外側にある骨の突起とこすれ合い、炎症が起こる。

 二つ目は、鵞足(がそく)炎だ。膝の内側にある三つの筋肉のけん(筋肉と骨の付着部)が集まる「鵞足」という部位に炎症が起こる。膝の曲げ伸ばしなどの動作により、鵞足周辺の筋肉のけんに繰り返し力が加わることが原因だ。

 三つ目はジャンパー膝だ。走る動きは、飛び上がり、着地するジャンプ動作の繰り返しとも言える。それによって膝蓋(しつがい)骨(膝の皿)と脛骨(けいこつ=すねの骨)をつなぐ膝蓋靭帯(しつがいじんたい)に過度な伸長やストレスがかかり、炎症が生じるものだ。

 中川教授は「いずれも膝の使い過ぎが原因です。普段から走り慣れていない人が無理をすることで生じることが多く、プロアスリートには少ないと言われます。休日のみ走るようなランナーは気を付けましょう」と注意を促す。

 ▽安静や走行量の調節で改善

 膝痛は安静にすれば自然に改善することが多いが、しばらく運動を控えても痛みが続くようなら、別の原因が考えられる。「膝の関節の動きを安定化させ、着地時の衝撃を吸収するクッションのような役割をする半月板や軟骨が損傷している可能性があります。そのため整形外科を受診することを勧めます。治療として内視鏡による手術を行うことがあります」と中川教授。

 ランニングで膝を痛めないためには、▽膝への負担が少ない走り方を身に付ける▽普段からストレッチをして筋肉を柔軟に保つ▽衝撃を吸収するクッション性の高い靴を選ぶ▽自分にとって無理のない走行量にとどめる―などの対策が重要だ。

 中川教授は「絶対に正しいという走り方のフォーム(姿勢)はないのですが、速く走ろうと歩幅を大きくし過ぎないようにして、前に出した足が体のほぼ真下にくるようにするとよいでしょう。また心地良い歩幅をキープするように意識しましょう」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)


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