発達障がいと精神疾患の併存率は約95%
レバレジーズ株式会社
発達障がいと精神疾患の併存に関する実態調査
レバレジーズ株式会社が運営する障がい者就労支援サービス「ワークリア」( https://worklear.jp/ )は、発達障がいの診断を受け、精神障害者保健福祉手帳を取得している20~60歳の男女499名を対象に、発達障がいと精神疾患の併存に関する実態調査を実施しました。
<調査サマリー>
- 発達障がいと精神疾患の併存率は95%
- 発達障がい者の約3人に1人が「20代」で精神疾患の併存発覚
- 発達障がい者が精神疾患を発症した約6割は「職場の人間関係」が要因
1.発達障がいと精神疾患の併存率は95%
発達障がいの診断を受け、精神障害者保健福祉手帳を取得している499名を対象に、発達障がいと精神疾患の併存について調査したところ、併存率は約95%に上ることが明らかになりました。
発達障がいと精神疾患を併存している人の約半数は、今まで「正社員もしくは契約社員での就労経験がない(49.7%)」と回答しています。
パートやアルバイトの場合でも、一定の条件※1を満たしていれば、障がい者の法定雇用率算定の対象になります。今回の調査結果から、障がい者雇用において発達障がいと精神疾患が併存している場合、正社員や契約社員などの比較的安定した雇用形態で就業することが非常に困難であることが明らかになりました。
法定雇用率算定の対象となる場合、企業はあえて正社員や契約社員として雇用することに対して積極的ではないことが予想されます。
※1 障がい者の法定雇用率算定の対象条件
1週間の所定労働時間(就業規則や雇用契約書などで定められた、休憩時間を除く始業時刻から終業時刻までの時間)が20時間以上で、1年を超えて雇用される見込みがある、あるいは1年を超えて雇用されていること。このうち、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の方は、短時間労働者となる。
2.併存していることが発覚した年齢、約3人に1人が「20代」と回答
正社員もしくは契約社員として就労経験があり、発達障がいと精神疾患が併存していると回答した人に対し、精神疾患の診断名について聞いたところ、最も多かったのは「うつ病(69.3%)」となり、約7割に上りました。次いで、「適応障害(30.7%)」「不眠障害(24.4%)」「双極性障害(18.9%)」と続きます。
併存発覚時の年齢は、「20代前半(14.7%)」と「30代前半(14.7%)」が最多となりました。年代別に比較すると、発達障がいと精神疾患の併存の発覚は20代に集中しています。
10代で精神疾患の併存が発覚している割合は約2割にとどまり、20代以上が大多数を占めました。職場環境など、社会に出てからの外的要因が併発に大きな影響を与えていることが考えられます。
3.発達障がい者が精神疾患を発症した要因の約6割は「職場の人間関係」
発達障がい者が精神疾患を発症した際の考えられる要因について、最も多かったのは「職場における人間関係によるストレス(58.0%)」でした。次いで、「家庭内での人間関係によるストレス(42.0%)」「職場における就業環境によるストレス(35.3%)」と続きます。
上位5つに挙げられた項目を見ると、併発要因には大きく「人間関係」「就労関係」が影響していることがわかります。
日常生活において不安や困難を感じていることについて聞いたところ、特に上位6項目においては回答割合に大きな差は見られませんでした。日常生活における不安や困難においては個人差が大きいことが伺えます。
その中で、最も回答割合が多かったのは「経済的問題(39.1%)」でした。精神疾患は、体調が不安定になるケースも多く、安定的に就業することへのハードルが高いことから、経済的な不安に繋がっていることが予想されます。
加えて、障がい者雇用枠の賃金は、一般雇用との差だけでなく、障がい種別による差も見られます。厚労省の調査※1によると、身体障がい者の一ヶ月の平均賃金が21万5千円なのに対し、発達障がい者は12万7千円、精神障がい者は12万5千円、知的障がい者は11万7千円と、大きな差があることがわかります。
障がい者に対する金銭的な補助や手当※2は存在するものの、安定的な就業が可能かどうかや、就業できた場合でもそもそもの賃金が低いことから経済的な問題に対して不安を抱えている人が多いようです。
※1 2019年6月,厚労省,「平成30年度障害者雇用実態調査」
(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05390.html)
※2 厚労省,特別児童扶養手当・特別障害者手当等
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/jidou/index.html)
<ワークリア事業責任者・後藤祐介氏からの一言>
今回実施した調査から、発達障がいと精神疾患の併存率は非常に高いことが明らかになりました。実際、弊社が運営する障がい者就労支援サービス「ワークリア」には、現在100人近くの精神・発達障がい者が在籍していますが、併存率は約8割に上ります。
ADHDやASD、LDなどの発達障がいは、先天的な脳の機能障害です。それに対して、うつ病や双極性障害などの精神疾患は後天的な要素が大きく、発達障がいによる生きづらさや特定の経験に伴い、後天的に発症することが多いと言われています。
併存発覚時の年齢は約3人に1人が20代と回答していることや、精神疾患の併発要因として「職場」を挙げている人が多いことから、社会に出たタイミングで生きづらさや困難を感じ、精神疾患の併発に至っているケースが多いことが考えられます。
障がいの有無にかかわらず、職場環境がメンタルヘルスに及ぼす影響は計り知れません。発達障がい者においては、健常者と比較してもその影響の度合いは高く、想像以上に精神的に追い込まれているケースが多いと考えるべきです。
就業上のケアだけでなく、メンタルフォローは欠かせません。就業している発達障がい者のメンタルフォローを社内だけで完結することは、多くの企業にとって難しいのではないでしょうか。自治体や、その他専門家の支援を受けながらサポートすることができれば、企業にとっても、持続的な雇用の確保に繋がるでしょう。
◆後藤 祐介氏・プロフィール
ヒューマンキャピタル事業本部 ハタラクティブ及びワークリア事業責任者
京都大学を卒業後、大手ゼネコンを経て、2012年にレバレジーズへ中途入社。現在は「ハタラクティブ」と障がい者の就労支援サービス「ワークリア」を統括するほか、営業システムの構築や教育制度設計、高校生や企業に向けたセミナー開催など、幅広い業務を担当している。2020年に中小企業診断士に登録。趣味はゴルフ。
<調査概要>
調査対象:発達障がいの診断を受け、精神障害者保健福祉手帳を取得している20~60歳の男女499名
調査年月:2024年7月5日~7月10日
調査方法:インターネット調査
回答者数:499名
調査主体:レバレジーズ株式会社
実査委託先:GMOリサーチ&AI株式会社
■ワークリア( https://worklear.jp/)
ワークリアは、世の中の障がい者、障がい者雇用を活性化することを目指して、未経験・就業経験の少ない方を雇用し、育成するサービスです。人材紹介サービスによるキャリア支援を中心に、企業における障がい者雇用のコンサルティング、交流機会の提供を行っております。
■Leverages Group( https://leverages.jp/ )
本社所在地 : 東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア24階 25階
代表取締役: 岩槻 知秀
資本金 : 5,000万円
設立 : 2005年4月
事業内容 : 自社メディア事業、人材関連事業、システムエンジニアリング事業、システムコンサルティング事業、M&Aアドバイザリー事業、DX事業、メディカル関連事業、教育関連事業
社会の課題を解決し関係者全員の幸福を追求し続けることをミッションに、インターネットメディア・人材・システムエンジニアリング・M&A・不動産の領域で国や業界をまたいだ問題解決を行なっています。2005年に創業以来、黒字経営を継続し、2023年度は年商1149億を突破しました。各分野のスペシャリストが集うオールインハウスの組織構成と、業界を絞らないポートフォリオ経営で、時代を代表するグローバル企業を目指します。
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
発達障がいと精神疾患の併存に関する実態調査
レバレジーズ株式会社が運営する障がい者就労支援サービス「ワークリア」( https://worklear.jp/ )は、発達障がいの診断を受け、精神障害者保健福祉手帳を取得している20~60歳の男女499名を対象に、発達障がいと精神疾患の併存に関する実態調査を実施しました。
<調査サマリー>
- 発達障がいと精神疾患の併存率は95%
- 発達障がい者の約3人に1人が「20代」で精神疾患の併存発覚
- 発達障がい者が精神疾患を発症した約6割は「職場の人間関係」が要因
1.発達障がいと精神疾患の併存率は95%
発達障がいの診断を受け、精神障害者保健福祉手帳を取得している499名を対象に、発達障がいと精神疾患の併存について調査したところ、併存率は約95%に上ることが明らかになりました。
発達障がいと精神疾患を併存している人の約半数は、今まで「正社員もしくは契約社員での就労経験がない(49.7%)」と回答しています。
パートやアルバイトの場合でも、一定の条件※1を満たしていれば、障がい者の法定雇用率算定の対象になります。今回の調査結果から、障がい者雇用において発達障がいと精神疾患が併存している場合、正社員や契約社員などの比較的安定した雇用形態で就業することが非常に困難であることが明らかになりました。
法定雇用率算定の対象となる場合、企業はあえて正社員や契約社員として雇用することに対して積極的ではないことが予想されます。
※1 障がい者の法定雇用率算定の対象条件
1週間の所定労働時間(就業規則や雇用契約書などで定められた、休憩時間を除く始業時刻から終業時刻までの時間)が20時間以上で、1年を超えて雇用される見込みがある、あるいは1年を超えて雇用されていること。このうち、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の方は、短時間労働者となる。
2.併存していることが発覚した年齢、約3人に1人が「20代」と回答
正社員もしくは契約社員として就労経験があり、発達障がいと精神疾患が併存していると回答した人に対し、精神疾患の診断名について聞いたところ、最も多かったのは「うつ病(69.3%)」となり、約7割に上りました。次いで、「適応障害(30.7%)」「不眠障害(24.4%)」「双極性障害(18.9%)」と続きます。
併存発覚時の年齢は、「20代前半(14.7%)」と「30代前半(14.7%)」が最多となりました。年代別に比較すると、発達障がいと精神疾患の併存の発覚は20代に集中しています。
10代で精神疾患の併存が発覚している割合は約2割にとどまり、20代以上が大多数を占めました。職場環境など、社会に出てからの外的要因が併発に大きな影響を与えていることが考えられます。
3.発達障がい者が精神疾患を発症した要因の約6割は「職場の人間関係」
発達障がい者が精神疾患を発症した際の考えられる要因について、最も多かったのは「職場における人間関係によるストレス(58.0%)」でした。次いで、「家庭内での人間関係によるストレス(42.0%)」「職場における就業環境によるストレス(35.3%)」と続きます。
上位5つに挙げられた項目を見ると、併発要因には大きく「人間関係」「就労関係」が影響していることがわかります。
日常生活において不安や困難を感じていることについて聞いたところ、特に上位6項目においては回答割合に大きな差は見られませんでした。日常生活における不安や困難においては個人差が大きいことが伺えます。
その中で、最も回答割合が多かったのは「経済的問題(39.1%)」でした。精神疾患は、体調が不安定になるケースも多く、安定的に就業することへのハードルが高いことから、経済的な不安に繋がっていることが予想されます。
加えて、障がい者雇用枠の賃金は、一般雇用との差だけでなく、障がい種別による差も見られます。厚労省の調査※1によると、身体障がい者の一ヶ月の平均賃金が21万5千円なのに対し、発達障がい者は12万7千円、精神障がい者は12万5千円、知的障がい者は11万7千円と、大きな差があることがわかります。
障がい者に対する金銭的な補助や手当※2は存在するものの、安定的な就業が可能かどうかや、就業できた場合でもそもそもの賃金が低いことから経済的な問題に対して不安を抱えている人が多いようです。
※1 2019年6月,厚労省,「平成30年度障害者雇用実態調査」
(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05390.html)
※2 厚労省,特別児童扶養手当・特別障害者手当等
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/jidou/index.html)
<ワークリア事業責任者・後藤祐介氏からの一言>
今回実施した調査から、発達障がいと精神疾患の併存率は非常に高いことが明らかになりました。実際、弊社が運営する障がい者就労支援サービス「ワークリア」には、現在100人近くの精神・発達障がい者が在籍していますが、併存率は約8割に上ります。
ADHDやASD、LDなどの発達障がいは、先天的な脳の機能障害です。それに対して、うつ病や双極性障害などの精神疾患は後天的な要素が大きく、発達障がいによる生きづらさや特定の経験に伴い、後天的に発症することが多いと言われています。
併存発覚時の年齢は約3人に1人が20代と回答していることや、精神疾患の併発要因として「職場」を挙げている人が多いことから、社会に出たタイミングで生きづらさや困難を感じ、精神疾患の併発に至っているケースが多いことが考えられます。
障がいの有無にかかわらず、職場環境がメンタルヘルスに及ぼす影響は計り知れません。発達障がい者においては、健常者と比較してもその影響の度合いは高く、想像以上に精神的に追い込まれているケースが多いと考えるべきです。
就業上のケアだけでなく、メンタルフォローは欠かせません。就業している発達障がい者のメンタルフォローを社内だけで完結することは、多くの企業にとって難しいのではないでしょうか。自治体や、その他専門家の支援を受けながらサポートすることができれば、企業にとっても、持続的な雇用の確保に繋がるでしょう。
◆後藤 祐介氏・プロフィール
ヒューマンキャピタル事業本部 ハタラクティブ及びワークリア事業責任者
京都大学を卒業後、大手ゼネコンを経て、2012年にレバレジーズへ中途入社。現在は「ハタラクティブ」と障がい者の就労支援サービス「ワークリア」を統括するほか、営業システムの構築や教育制度設計、高校生や企業に向けたセミナー開催など、幅広い業務を担当している。2020年に中小企業診断士に登録。趣味はゴルフ。
<調査概要>
調査対象:発達障がいの診断を受け、精神障害者保健福祉手帳を取得している20~60歳の男女499名
調査年月:2024年7月5日~7月10日
調査方法:インターネット調査
回答者数:499名
調査主体:レバレジーズ株式会社
実査委託先:GMOリサーチ&AI株式会社
■ワークリア( https://worklear.jp/)
ワークリアは、世の中の障がい者、障がい者雇用を活性化することを目指して、未経験・就業経験の少ない方を雇用し、育成するサービスです。人材紹介サービスによるキャリア支援を中心に、企業における障がい者雇用のコンサルティング、交流機会の提供を行っております。
■Leverages Group( https://leverages.jp/ )
本社所在地 : 東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア24階 25階
代表取締役: 岩槻 知秀
資本金 : 5,000万円
設立 : 2005年4月
事業内容 : 自社メディア事業、人材関連事業、システムエンジニアリング事業、システムコンサルティング事業、M&Aアドバイザリー事業、DX事業、メディカル関連事業、教育関連事業
社会の課題を解決し関係者全員の幸福を追求し続けることをミッションに、インターネットメディア・人材・システムエンジニアリング・M&A・不動産の領域で国や業界をまたいだ問題解決を行なっています。2005年に創業以来、黒字経営を継続し、2023年度は年商1149億を突破しました。各分野のスペシャリストが集うオールインハウスの組織構成と、業界を絞らないポートフォリオ経営で、時代を代表するグローバル企業を目指します。
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
(2024/08/08 11:00)
- データ提供
本コーナーの内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES ()までご連絡ください。製品、サービスなどに関するお問い合わせは、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。