こちら診察室
連載趣旨と略歴
▼連載趣旨
膝の痛みは早期に適切な治療を行うことで、膝の状態を悪化させず、手術を避けることが可能となります。
膝の痛みを放置すると、最終的には「手術しか残されていない」という状況に陥ることがあります。こうした事態を未然に防ぐためにも、早期治療が重要です。
本連載では、膝の痛みや疾患の原因から最新の治療法、特に再生医療の選択肢までを解説し、早期に治療を始めることの大切さを伝えていきます。
また、近年膝の痛みに対する治療法として、再生医療が注目を集めています。
私が再生医療の道を選んだ背景には、スポーツ選手を治療した経験が大きく影響しています。膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)に悩む選手に、1年近く保存療法を行ってきましたが、効果は薄く、膝の状態も良いとは言えませんでした。そんなときに再生医療のPRP療法を用いて治療を行うと、痛みを改善する効果が見られたのです。
このようなケースを何度も経験し、早い段階で膝の痛みを改善するために再生医療が有効な手だてになる、と強く感じました。
膝の健康を守るための新しい方法について、しっかりと理解していただきたいと思います。
▼略歴
尾辻正樹(おつじ まさき) 医療法人社団活寿会理事長。05年鹿児島大学病院初期臨床研修、07年同大学病院整形外科入局、11年埼玉県内の整形外科にて勤務、18年東京ひざ関節症クリニック銀座院入職、18年横浜ひざ関節症クリニック院長就任、22年から現職。
札幌ひざ関節症クリニックと仙台ひざ関節症クリニックの院長を兼任。日本整形外科学会認定専門医、再生医療学会認定医。