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iPS細胞で動物再生医療を推進するVetanic、東証グロース上場企業コージンバイオ株式会社との業務提携基本合意締結のお知らせ

Vetanic
「世界標準の動物再生医療等製品」の実現に向け、コージンバイオが有する多様な知見で研究開発を加速、より高品質な製品製造の推進、製造販売承認の早期取得を目指す




株式会社Vetanic(本社:東京都港区、代表取締役CEO:望月 昭典、以下「Vetanic」)は、コージンバイオ株式会社(東証グロース 177A、本社:埼玉県坂戸市、代表取締役社長:中村 孝人、以下、コージンバイオ)と「動物用iPS細胞由来再生医療等製品および動物再生医療研究用製品の開発に関する事業」に係る業務提携の基本合意書を締結いたしましたので、お知らせいたします。

Vetanicは独自の動物iPS細胞樹立技術を基盤として獣医療域でのiPS細胞由来再生医療等製品の実用化を目指しており、1stパイプラインとしてイヌiPS細胞由来間葉系幹細胞(iMSC)の開発を進めています。

これまでイヌ等の一部の動物種では、iPS細胞の樹立が困難(多能性誘導耐性)であることが知られていましたが、日本大学生物資源科学部 獣医学科獣医外科学研究室 枝村一弥教授(獣医師)、久留米大学医学部疾患モデル研究センター 塩澤誠司教授(元慶應義塾大学医学部生理学教室、獣医師)および慶應義塾大学再生医療研究センター長 岡野栄之教授(元同大医学部生理学教室教授、医師)らは共同研究でこの課題を克服し、臨床応用に適したiPS細胞を作製する独自技術を完成させ(*1、特許を出願しています(*2。本技術を用いてVetanicは、iMSCをはじめとした多様な再生医療等製品の研究開発を推進、農林水産省に薬機法(*3に基づく動物用再生医療等製品として製造販売承認申請し、社会実装を目指しています。

iMSCなどの細胞治療においては、生きものである細胞の状態が治療成績に大きく影響し、出発原料から細胞培養工程、バイアル充填から凍結保管に至るまでの各工程における品質管理が極めて重要です。当社では品質を極めて高い状態で均一に維持し、期待する安全性・有効性を得るために注意深く製品開発を進めています。

コージンバイオはこれまで多種多様な細胞培養用培地の独自開発や、再生医療のための細胞加工の受託サービスなど、再生医療分野における重要な基盤技術の研究開発にてノウハウを蓄積し、当該分野における第一線の企業として国内外で事業の拡大を進めております。さらにヒト医療で実用化開発が進む細胞外小胞体(エクソソーム)などの先端研究も独自の培地で支援、さらに獣医療への応用を目指して大学との共同研究に着手するなど、先進的な取り組みも行っています。

この度の業務提携では、当社が目指す「世界標準の動物再生医療等製品」の実現に向け、コージンバイオが有する知見や培養資材を活用し研究開発の各段階を加速、より高品質な製品製造の推進、さらに製造販売承認の早期取得を目指します。

また当社では動物iPS細胞の様々な分化誘導細胞の研究を進めており、獣医療分野における再生医療のさらなる発展、in vitroデータの知見を基にしたヒト医療へのtranslational researchの推進や、動物実験の「3Rの原則」(*4への貢献を目指していますが、これら動物iPS細胞由来分化誘導細胞の最適培地の開発、キット化等においてもコージンバイオが有する研究開発力や知見による支援を得る予定です。

Vetanicは、独自の動物iPS細胞を活用し、高品質、低コスト、ドナーフリーで再生医療等製品の開発・普及を促進し、より多くの動物たちの健康的で幸せな生活を通じて人々へも幸福を届けて参ります。


- iPS細胞とは

細胞を培養して人工的に作られた多能性の幹細胞のこと(人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell))。2006年8月に京都大学の山中伸弥教授らにより世界で初めてiPS細胞が作製され、その画期的な功績から2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞した。山中伸弥教授らは、皮膚などに分化・成熟した体細胞に4つの初期化遺伝子を組み込むことで、あらゆる生体組織に成長できる受精卵のような万能な細胞を作ることに成功した。この技術を基に現在数多くの再生医療技術の開発が国内外で進められている。

- 間葉系幹細胞(MSC)とは

MSCは体にもともと備わっている幹細胞(体性幹細胞)の一つで、自己複製能と他の細胞への分化能を持つ細胞である。iPS細胞に比べると分化できる細胞のタイプが限られているが、骨、軟骨、脂肪、神経、肝細胞など、様々な細胞に分化できるという性質を持つことから、再生医療への応用が注目されている。既にヒトにおいて承認済みのMSC製剤も販売されており、疾患治療の実績が積み上げられつつある。現在臨床的には脂肪や骨髄、末梢血などから採取・増殖したMSCが用いられている。


*1) 「さまざまな動物種からiPS細胞を作出する方法の確立-幹細胞を用いた細胞工学の基盤となる重要なリソース-」 https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2021/4/2/210402-1.pdf
*2) 特許出願2021-514245
*3) 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
*4) 動物実験の「3Rの原則」:医薬品開発等で必須の動物実験においては、代替法の利用(Replacement)、使用数の削減(Reduction)および苦痛の軽減(Refinement)を徹底することが国際原則として定められている。iPS細胞由来分化細胞は代替法として、また有効性を適切に評価することで使用動物数の削減に寄与する。 https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2602a/02.pdf

株式会社Vetanicについて
Vetanicは日本大学と慶應義塾大学の共同研究の成果である、臨床応用に適した動物iPS細胞樹立技術を基盤として2021年1月に設立した大学発スタートアップ・ベンチャーです。
大学発技術の社会実装を支援する科学技術振興機構(JST)の大学発新産業創出プログラム<社会還元加速プログラム(SCORE)>のサポートを受け創業いたしました。(https://www.jst.go.jp/start/biz-model/startup.html
独自の動物iPS細胞から間葉系幹細胞をはじめとしたドナーフリーで高品質の再生医療等製品を開発し、世界標準となる動物再生医療の実現を目指しています。

コージンバイオ株式会社について
コージンバイオ株式会社は、1981年4月に設立し、細胞培養用培地や体外診断用医薬品、細菌検査用培地の製造販売、細胞加工の受託を中心に事業展開を行っています。近年ではグローバルで再生医療の市場が急速に拡大しており、細胞の培養に使用される培養液の研究開発に注力するとともに、国内外で再生医療分野でのさらなる事業拡大に取り組んでいます。


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