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第25回ゴールデンスピリット賞に巨人・菅野智之投手

株式会社報知新聞社
介助犬活動をサポート 勝利数×10万円寄付やPR活動




 プロ野球人の社会貢献活動を表彰する報知新聞社制定「ゴールデンスピリット賞」の第25回受賞者が巨人・菅野智之投手に決定しました。2015年に「菅野基金」を設立し社会福祉法人日本介助犬協会にシーズン公式戦勝利数×10万円をベースにした寄付を行い、19年には同協会のサポート大使に就任しました。寄付支援やPR活動への協力など多方面でのサポートを継続的に取り組んできたことが評価されました。
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【選考過程】
 DeNAを除く11球団からノミネートされた24選手、コーチから榊原委員が「期間も一つの視点」と14年間続けている阪神・西勇輝投手、10年間の菅野投手の名前を挙げ、佐山委員も「2人は突出している」と同調するなど全委員が2人を推しました。その上で鈴木委員は「子供たちに勇気を与えている」とロッテ・中村選手の活動も評価。栗山委員は中日・山井コーチ、阪神・原口選手も推薦。三屋委員は「ずっと続けている山井コーチのポリシーを感じる」と語った。依田委員は菅野投手、西勇投手、山井コーチを「3人とも強い目的意識を感じる」と評し、10年以上継続している点を重視。欠席した長嶋委員は書面で菅野投手、西勇投手に絞られるとし「菅野投手が復活してエース級の活躍が目立ちました」と推薦した。最終的に菅野投手と西勇投手が残り、社会的影響力、今季の好成績もプラス材料となり、満場一致で菅野投手の受賞が決定しました。

 <菅野 智之>(すがの・ともゆき)1989年10月11日、神奈川・相模原市生まれ。35歳。東海大相模高、東海大から2011年ドラフトで1位指名された日本ハムに入団せず、12年ドラフト1位で巨人入団。今年は15勝3敗で2度目の最高勝率と史上6人目となる4度目の最多勝。最優秀防御率4度、最多奪三振2度。14年、20年MVP。17年から2年連続沢村賞。ベストナイン4度、ゴールデン・グラブ賞5度受賞。17年WBC日本代表。186センチ、95キロ。右投右打。
【ノミネート選手】
西勇輝(阪神)
 オリックス在籍時の11年から「日本財団子どもサポートプロジェクト」に寄付を継続。阪神移籍後も子ども支援施設訪問や、病院への医療用マスク寄贈など幅広く活動している。
岩貞祐太(阪神)
 16年の熊本地震を機に、地元に貢献したいとの思いから「地震復興支援」と「子どもたちへの野球振興」として、自身の成績に応じて義援金や用具寄贈を17年から行っている。
原口文仁(阪神)
 がんを克服した経験を広める啓発活動に19年から取り組む。成績に応じた支援金に加え、主催したチャリティーマラソン大会の収益やグッズ売り上げを小児がん医療ケア施設や日本対がん協会へ寄付。
近本光司(阪神)
 地元・淡路市在住者を20年から年間240人、甲子園球場に招待。離島支援・地方創生活動を目的とした一般社団法人の設立や、能登半島地震の被災地へのバット寄贈も行っている。
山井大介コーチ(中日)
 東日本大震災で大きな被害を受けた気仙沼市の訪問を13年から始めた。児童養護施設へ寄付金やおもちゃを贈ったり、同市内の中学校で野球教室を開くなど交流を続けている。
大野雄大(中日)
 ひとり親家庭の親子を年間4~5回ほどバンテリンドームに招待する活動を17年からスタート。試合前には、サイン色紙や応援グッズをプレゼントするなど交流している。
福敬登(中日)
 22年から名古屋聾(ろう)学校を対象に「福敬登招待プロジェクト」を開始。その後は自身が難病を患ったが交流を続け、昨年は1軍復帰を果たすなど励まし、励まされる関係を築いている。
柳裕也(中日)
 自動車事故で保護者が亡くなったり重い後遺症が残った子どもがいる家族を、バンテリンドームに招待する活動を22年から開始。試合前には、招待した家族と面談を行うなど交流を図っている。
菅野智之(巨人)
 介助犬は認知度が低く、同伴を拒否される店が多いという実情を知り、15年から支援を開始。日本介助犬協会への支援金、介助犬ユーザーとの交流、同協会のポスターや公式サイトに登場し、認知度向上にも貢献。
吉川尚輝(巨人)
 「チャイルドドリームプロジェクト」を22年に開始。相対的貧困の子どもをなくす活動を続ける団体に寄付を行っている。また同団体の活動を体験し、PRにも協力している。
岡本和真(巨人)
 もともと愛犬家で、飼育放棄や虐待などを受けた動物を支援する「HAPPY ANIMAL プロジェクト」を21年から開始。支援金、PR活動、チャリティーグッズ展開など幅広く支援している。
丸佳浩(巨人)
 都内の生活困窮世帯の子どもたちの「食」を支援する「丸メシプロジェクト」を21年にスタート。支援金に加え、特製グッズの販売収益、チャリティーオークションの落札収益などを寄付し、施設の訪問も行っている。
村上宗隆(ヤクルト)
 16年4月に熊本地震で大きな被害を受けた熊本市に対して19年から毎年、熊本城復旧への支援金を贈り続けている。本塁打1本につき1万円など、成績に応じた金額を設定している。
磯村嘉孝(広島)
 車いす利用の家族がおり、マツダスタジアムのバリアフリーやスタッフの対応の素晴らしさを実感し、22年から車いす利用者の球場招待を始めた。また、入院患者らを元気づけるための交流会も実施している。
安達了一(オリックス)
 自身が患った潰瘍性大腸炎と闘う子どもたちへの寄付を21年からスタート。毎年、公式戦の出場試合数×1万円を日本炎症性腸疾患協会に贈っている。
中村奨吾(ロッテ)
 eスポーツを通じた障害者支援を22年から開始。ZOZOマリンスタジアムに招待し、寄付金を贈呈している。また、小児がんを患うファンの男の子との出会いをきっかけに、千葉県こども病院を訪問、今年9月の試合前に球場で交流した。
角中勝也(ロッテ)
 出身地・石川県の共同募金会に19年から寄付をスタート。障害者支援に役立っており、安打数に応じて金額を上げているので「少しでも多くの寄付ができるように」と活躍への原動力にもなっている。
高部瑛斗(ロッテ)
 闘病中の子どもたちや、その家族を助けたいという思いから、小児がん支援を22年に始めた。寄付や物品の寄贈、病院への訪問を毎年行っている。
近藤健介(ソフトバンク)
 今年から、主にアジアで貧困に苦しむ子どもたちを支援するための寄付を開始。成績に連動した内容で「ひとりでも多くの子供たちを支援できるように頑張る」と意気込んでいる。
則本昂大(楽天)
 裕福ではない子どもたちにいろいろな経験をしてもらいたいと、19年から経済的に恵まれない子どもたちを支援する団体へ寄付。また、同団体を通じて子どもたちを球場に招き、交流している。
高橋光成(西武)
 幼い頃から身近にいた犬に関わる活動をと、21年から捜索救助犬の支援を開始。寄付だけでなく訓練施設を訪問し、体験した。また、地元・群馬の森林を守るため「ぐんま緑の県民基金」にも寄付している。
鍵谷陽平、杉浦稔大、玉井大翔(日本ハム)
 北海道出身の3選手は、9人そろわない道内の小中学生チームに対し、野球への意欲を持ち続けられるように野球教室や用具提供などを19年から行っている。



◇ゴールデンスピリット賞
日本のプロ野球球団に所属する人の中から、積極的に社会貢献活動を続けている人を表彰する。毎年1回選考委員会(委員名別掲)を開いて、球団推薦と選考委員推薦で選ばれた候補者から1人を選定する。欧米のスポーツ界では社会貢献活動が高く評価され、中でも米大リーグの「ロベルト・クレメンテ賞」が有名で、球界での最高の賞として大リーガーの憧れの的になっている。日本では試合での活躍を基準にした賞がほとんどで、球場外の功績を評価する表彰制度は初めて。いわば「球場外のMVP」。受賞者にはゴールデントロフィー(東京芸術大学名誉教授・絹谷幸二氏作成のブロンズ像)と阿部雄二賞(100万円)が贈られる。また受賞者が指定する団体、施設などに報知新聞社が200万円を寄贈する。

◇ゴールデンスピリット賞歴代受賞者
第1回(1999年)巨人・松井秀喜
第2回(2000年)日本ハム・片岡篤史
第3回(2001年)近鉄・中村紀洋
第4回(2002年)ヤクルト・飯田哲也
第5回(2003年)中日・井上一樹
第6回(2004年)阪神・赤星憲広
第7回(2005年)ロッテ・B.バレンタイン
第8回(2006年)ソフトバンク・和田毅
第9回(2007年)横浜・三浦大輔
第10回(2008年)楽天・岩隈久志
第11回(2009年)巨人・小笠原道大
第12回(2010年)日本ハム・ダルビッシュ有
第13回(2011年)楽天・山崎武司
第14回(2012年)阪神・藤川球児
第15回(2013年)ヤクルト・宮本慎也
第16回(2014年)西武・栗山巧
第17回(2015年)ロッテ・今江敏晃
第18回(2016年)巨人・内海哲也
第19回(2017年)阪神・岩田稔
第20回(2018年)ロッテ・井口資仁
第21回(2019年)西武・秋山翔吾
第22回(2021年)阪神・矢野燿大
第23回(2022年)オリックス・吉田正尚
第24回(2023年)日本ハム・宮西尚生
(所属チームは受賞当時)

主催 報知新聞社
後援 一般社団法人 日本野球機構
協賛 株式会社アイ・インベストメント、キヤノンマーケティングジャパン株式会社、ディップ株式会社

【選考委員】
栗山英樹 野球日本代表前監督
榊原定征 プロ野球コミッショナー
佐山和夫 ノンフィクション作家。米大リーグに造詣が深い。ゴールデンスピリット賞の提唱者の一人。2021年野球殿堂入り。
鈴木俊彦 日本赤十字社副社長
長嶋茂雄 読売巨人軍終身名誉監督。現役時代のチャリティー活動が評価され、1982年に日本のプロ野球人として初めてローマ法王ヨハネ・パウロ2世に謁見(えっけん)した。88年バチカン市国からバチカン有功十字勲章を受章。
三屋裕子 日本バスケットボール協会会長。バレーボール女子日本代表としてロス五輪銅メダル。
依田裕彦 報知新聞社代表取締役社長
(敬称略・50音順)

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