治療・予防

薬剤過多による頭痛
痛みに敏感になり慢性化

 日本では約3割の人に、激しい頭痛発作を繰り返す片頭痛や、身体的ストレスからくる緊張型頭痛があるといわれている。日常生活に支障を来すこともあり、多くの人が頭痛治療薬(鎮痛薬)を持ち歩き、必要に応じて服用している。ところが、頭痛の痛みを和らげるために飲んだ薬が、かえって頭痛を悪化させる要因になることもある。慶応義塾大学病院(東京都新宿区)神経内科の柴田護専任講師は「頭痛薬を過剰に摂取すると、頭痛の重症化や慢性化を招き、症状を悪化させることがあります」と警鐘を鳴らす。

市販薬に頼り過ぎず、医療機関を受診してみて

 ▽脳が痛みに敏感に

 頭痛持ちの人は、頭痛の兆候があると早めに薬を服用するため、頭痛治療薬の服用量が過剰になりやすい。過剰に服用するうちに、脳が痛みに敏感になる。すると、次第に頭痛の頻度が上がり、痛みを抑えようとさらに薬の量が増えるという悪循環を招いてしまう。

 柴田専任講師は「月に15日以上の頭痛が3カ月以上続く慢性片頭痛患者の半数以上に、薬剤の使用過多による頭痛があるといわれています。女性に多く、服用している薬が関係していると気付いていない人も珍しくありません」と説明する。市販の頭痛治療薬を月に10日以上、3カ月以上にわたって服用している場合は要注意だという。

 原因となる薬で多いのは、イブプロフェンなどを含む鎮痛薬と、鎮痛薬に鎮静薬やカフェインを配合した複合薬で、数多く市販されている。他にも、医療機関で処方されるトリプタンという頭痛治療薬が原因になることもある。

 ▽頭痛薬の中止を目指す

 多くの場合、患者は服用している頭痛治療薬に依存しているので、まず薬剤の使用過多で起こる頭痛疾患の存在を説明する。使用している頭痛治療薬の中止が課題となるが、柴田専任講師は「薬をやめる過程を急ぐと、反跳性頭痛といって、治療前よりも強い頭痛が表れることがあり、日常生活に大きな支障が出てしまいます」と話す。うつや不安などの症状がある場合は心療内科と連携し、服用中止に向けた減薬を慎重に行っていく。必要に応じて代用の頭痛治療薬や、バルプロ酸などの頭痛予防薬を併用する。睡眠不足などの頭痛を誘発させる要因があれば改善を促す。

 柴田専任講師は「薬剤の使用過多による頭痛は、ほとんどが適切な治療を受けずに市販の頭痛薬に頼っていることで起こるので、頭痛持ちの人は、まず医療機関を受診し、診断を受けてください」と強く呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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