医学部・学会情報

前立腺がん発生や治療耐性を「エゴマ成分」が抑制することを発見
名古屋市立大学大学院医学研究科 -治療耐性の原因を抑える新しい小分子RNAの発見に成功-

研究成果の意義および今後の展開

今回の結果から、エゴマなどのシソ科の趣旨に豊富に含まれる抗酸化物質「ルテオリン」が、前立腺がんの予防に役立つ可能性があることがわかり、ルテオリンを含む食品やサプリメントの接種を通じて多くの人々の健康維持に貢献できるものと考えています。さらに、「ルテオリン」が誘導するmiR-8080は、治療が困難であるCRPCの新しい治療方法の開発のためのキーとなることが期待されます。今後は、前立腺がん患者の血液中のmiR-8080発現を検討し、CRPC発症を簡単に検出できるマーカーになりうるかを検討していく予定です。

【研究助成】
本研究は、厚生労働省科学研究費補助金(第3次対がん総合戦略研究事業)、名古屋市立大学特別研究奨励費、小野薬品工業株式会社の助成などにより行われました。

【本件に関する特許】

公開番号:特開2018-177658 (P2018-177658A)
発明の名称:去勢抵抗性前立腺癌の治療 
発明者:内木綾、高橋智
公開日:2018年11月15日

                 【掲載された論文の詳細】
【論文タイトル】
Recruitment of miR-8080 by luteolin inhibits androgen receptor splice variant 7 expression in castration-resistant prostate cancer
「ルテオリンによるmiR-8080誘導は、去勢抵抗性前立腺がんにおけるアンドロゲンレセプタースプライスバリアント7の発現を抑制する」

【著者】
内木綾* (*Corresponding author)、内木拓、加藤寛之、飯田啓太郎、惠谷俊紀、長安祐子、鈴木周五、山下依子、稲熊真悟、大西雅也、田中靖人、安井孝周、高橋智*
(所属はすべて名古屋市立大学医学研究科)

【掲載学術誌】
「Carcinogenesis(カルチノジェネシス)誌(電子版)」
研究成果は、英国の科学誌「Carcinogenesis(カルチノジェネシス)」(電子版)に2019年12月5日午後5時(グリニッジ標準時)掲載

【お問い合わせ先】
名古屋市立大学事務局企画広報課広報係
〒467-8601 名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1
TEL:052-853-8328 FAX:052-853-0551
MAIL: ncu_public@sec.nagoya-cu.ac.jp
HP URL:http://www.nagoya-cu.ac.jp/

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