治療・予防

円形脱毛症の原因と治療=眉毛や頭髪全体に及ぶことも

 ある日突然、髪の毛が円形に抜けてしまう円形脱毛症は脱毛箇所の範囲が広がったり、全身に至ったりすることもある。原因は特定のリンパ球が毛髪の細胞を攻撃することで起きる、自己免疫の病気であると言われている。横浜労災病院皮膚科(横浜市)の斉藤典充部長は「インフルエンザなどの感染症も誘因の一つです」と話す。

 ◇単発型の7割自然治癒
 円形脱毛症には、1カ所のみの単発型、複数箇所の多発型、頭髪全部の全頭型、全身が脱毛する汎発型、生え際が帯状に脱毛する蛇行型がある。
 毛髪の細胞は2~6年成長を続け、髪が抜けると3カ月~半年の休止期間を経て再び成長期に入るというサイクルがあるが、リンパ球の攻撃を受けた脱毛部は休止期間が続いてしまう。そのため、「リンパ球が攻撃中ならそれを抑え、(毛髪細胞が)休止状態であれば起こす治療が必要です」と斉藤部長。
 単発型の場合、自分では気付かないケースも多く、病院を受診しなくても7割が自然に治るという。しかし、斉藤部長は「単発型でも数カ月続く場合や、脱毛部の周囲の毛を引っ張って抜けるようであれば、地域の皮膚科専門クリニックを受診してください」と話す。

 ◇治療は組み合わせで

 治療は血行を促進するなどして育毛を促す飲み薬と、発毛効果や炎症を抑える塗り薬をそれぞれ1~2種類組み合わせる方法が基本。併せて行われる脱毛部へのステロイド薬の注射、液体窒素での血行促進、かぶれを起こす薬品の塗布や紫外線を当てるなどの治療がある。
 「かぶれを起こす治療は、古くから知られる金属アレルギー部位の発毛現象を応用したものです。また、紫外線は免疫調整効果があることが知られています」と斉藤部長。「脱毛部が頭髪全体の25%以下であれば、幾つかの治療を組み合わせることで多くが発毛に至ります」という。
 しかし、中にはどの治療も効果が得られない場合がある。変化を受け入れられない時は、ウィッグを使うこともできる。近年は高品質のもののレンタルもある。ウィッグは治療に支障はなく、見た目にも安心できるメリットの方が大きい。「病気を語り合い、支え合う患者会もあります。1人で抱え込まずに、悩んでいるなら相談してください」と斉藤部長は話す。

(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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