インタビュー

肝がん、岡本友好、小池和彦医師に聞く(下)=患者の全面サポート目指す

 肝臓がんは治療しても再発率が高く、他臓器からの転移も多いとされる。肝臓がんの再発・転移や術後の疼痛(とうつう)管理、また適正な治療を受けるためのセカンドオピニオンの活用方法などについて、引き続き東京慈恵会医科大学付属第三病院外科の岡本友好診療部長(がん診療センター長)、消化器・肝臓内科の小池和彦診療部長に聞いた。

 ◇薬で再発率減少も

 ―肝臓がんは転移性がんが多いとされるが、最初に肝臓で発生する原発性と、別の臓器から飛んできた転移性の割合はどの程度か。
 小池 がん患者が命を落とすとき、既にいろいろな場所に転移しているケースが多いが、血液を介して転移する場合、肝臓がんになる人は結構いる。肝臓がんによる死者は年間3万人超だが、肝臓以外のがんで亡くなる人はその10倍程度。半分ぐらいに肝転移が認められるとされる。肝臓の場合は転移性の人は原発性の人の4、5倍はいるだろう。
 ―再発・転移の早期発見のためにどう対処すればいいのか。
 小池 肝臓がんの根治的治療ができた場合、腫瘍マーカーの検査などで定期的に細かく経過を診ていくことが重要だ。またB型肝炎、C型肝炎、酒など原因はいろいろあるが、そこをうまく調整することで再発率が減るとされる。B型肝炎が原因の場合、根治は難しいが飲み薬でウイルス量を減らすことができる。ウイルスを減らせば再発率は減るというデータがある。C型肝炎の場合、以前はインターフェロンだったが、ソバルディとかハーボニーという飲み薬でウイルスを排除できるようになった。

 肝臓がんは手術で根治しても、一昔前はあまり予後が良くなかった。最近は副作用のない非常に良い薬を
飲み続けることで、肝機能が改善する。機能が良くなれば、腫瘍ができてもまた手術できる。他臓器のがんからの肝転移の場合、肝機能についてはもともと問題がなかったわけなので、もちろん手術はできる。

 ◇疼痛管理、告知

 ―がん治療の疼痛(とうつう)管理についてはどう考えればいいのか。
 岡本 一昔前はモルヒネ製剤とか麻薬に近い薬を使うのは体に毒と言われたが、今は最初から痛みをフリーにして気分も少し爽快にする方法がいいと言われている。抗精神薬の使用も含め、痛み、不安を取ることで長生きが証明されている。我慢すると心臓や肺に負担がかかり、手術時の免疫を落とすし、がん免疫も落とすとされる。疼痛と精神的な管理は最初からやるべきだ。不安で毎日寝られないなら、精神科が入るので薬をもらって夜もぐっすり眠った方がいい。
 告知の問題もそう。一昔前は言わなかったが、患者さんは不信感の塊になって、結局精神状態が安定しなくなる。今は100%告知するようにしている。患者さんは最初は落ち込むが、いったん克服すると非常に元気が出るので精神衛生上もいい。

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