治療・予防

黄色い鼻水、長引くなら病院へ
蓄膿症に新たな症例

 ◇好酸球性副鼻腔炎

 2000年代に入って好酸球性副鼻腔炎が増えているが、その原因は分かっていない。慢性副鼻腔炎の患者数は約200万人。このうち好酸球性副鼻腔炎は約2万人と推定されている。従来の副鼻腔炎が全年代で発症し、上顎洞が主であるのに対し、好酸球性副鼻腔炎はほとんどが成人になってから発症し、篩骨洞(しこつどう)に鼻茸ができて嗅覚障害を伴うのが特徴だ。
 患者は高い割合で気管支ぜんそくを抱えていることが多く、好酸球に関連する全身性疾患の一部として鼻に症状が出たと考えられている。治療はステロイド剤の投与で、重症化した場合はやはり内視鏡手術が行われる。好酸球性副鼻腔炎は再発の恐れが高い難治性の病気のため、15年7月に難病医療費助成制度の対象に指定され、重症と診断された場合には助成が受けられる。
 「たかが鼻水」と軽くみるのは禁物。アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎の恐れもある。アレルギー性鼻炎なら薬で鼻詰まりなどの症状を悪化させないようにし、慢性副鼻腔炎も鼻の洗浄や、鼻を適宜かんで鼻内を清潔に保つことが大切だ。「風邪が治った後も黄色い鼻水が出て、長引いているようなら耳鼻科を受診してほしい」と、伊藤准教授はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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