歯学部トップインタビュー

5学期制で学習しやすく
~災害医療や法医歯学の発展にも寄与―神奈川歯科大学~


櫻井学長

櫻井学長

 ◇今後の歯科医師不足に備えて

 歯科医師の高齢化が進み、約半数が60歳以上という状況だ。櫻井学長は10年後の日本の歯科医療供給体制に大きな危機感を抱いている。

 「17年をピークに、21年までの4年間で約1000件の歯科医院が閉鎖していますが、理由のほとんどが経営悪化による倒産ではなく、高齢化によるリタイアです。団塊の世代がリタイアすると劇的に減って、無歯科医地区が増えていくでしょう」

 歯科医師が減っていく中で、地域の歯科医療を支える人材育成は喫緊の課題だ。そうした意味でも歯科医師は将来の職業として有望な選択肢とも言える。

 「国民の皆さんの健康維持に貢献できるよう、テクニックだけの問題ではなく、多様化する患者さんのニーズを自分のこととして受け止め、フィードバックできる優しい愛情を持った歯科医師の育成をしていきたい」と力説する。(ジャーナリスト・中山あゆみ)

櫻井 孝(さくらい・たかし) 1988年3月東北歯科大学(現奥羽大学)歯学部卒業。2006年11月神奈川歯科大学附属病院臨床教授、12年5月神奈川歯科大学附属病院副病院長、17年4月から現職。

【神奈川歯科大学 沿革】
1910年 大久保潜龍が東京女子歯科医学講習所を創立
  23年 関東大震災のため、校舎・施設を品川区に新築移転
  34年 日本女子歯科医学専門学校に改称
  63年 神奈川県横須賀市に移転
  64年 神奈川歯科大学を開学
2010年 創立100周年を迎える
  20年 神奈川歯科大学第三ターミナル歯科を開設
  21年 自衛隊横須賀病院との連携協定を締結
      神奈川歯科大学羽田空港第一ターミナル歯科を開設


  • 1
  • 2

【関連記事】


歯学部トップインタビュー