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汚い言葉繰り返す子どもたち
過度な心配は不要

 子どもが場所や状況をわきまえず汚い言葉や攻撃的な言葉を使う、やめるように何度叱っても、言うことを聞かない―。もしかしたらそれは神経発達症の一つ「汚言症」かもしれない。東京大学医学部付属病院(東京都文京区)こころの発達診療部の金生由紀子准教授は「『死ね』とか、『殺す』といった言葉を自分の意思とは関係なく口に出してしまう症状です。ただし、大人になるまでに治ることがほとんどなので過度な心配は不要です」と話す。

 ▽10歳以降に多い

 小さな子どもは、時に汚い言葉や性的な言葉をわざと言って、周囲を笑せて喜ぶことがある。しかし、それは成長の一過程に過ぎない。一方、汚言症は「トゥレット症候群」と呼ばれるチック症状の一つだ。

きつく叱り過ぎると悪化してしまうことも
 チックは、まぶたをパチパチさせる、鼻をひくひくさせる、風邪でもないのにせき払いをする、といった行為をわざとではないのに繰り返してしまう。動きを繰り返すのを「運動チック」、せき払いや汚言症、あるいは同じ言葉を何度も繰り返すのを「音声チック」と呼んでいる。

 運動チックは4、5歳ごろから起こり始める。一方、音声チックの場合はやや遅く、特に汚言症が表れるのは10歳以降が多い。金生准教授は「思春期に性的なことに関心を持つようになり、言ってはいけないと意識するとかえって言ってしまうのです」と解説する。

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