治療・予防

悪性度の高い皮膚がん
メラノーマの特徴と治療法

 皮膚の色素細胞ががん化したメラノーマ(悪性黒色腫)。かつては抗がん剤が効きにくいがんといわれ、手術が治療の主体だったが、2014年以降に登場した免疫チェックポイント阻害薬などにより薬物治療の成績は向上している。がん・感染症センター都立駒込病院(東京都文京区)皮膚腫瘍科の吉野公二部長に、病気の特徴や治療法について聞いた。

メラノーマのタイプ

 ▽足の裏のほくろに注意

 メラノーマの国内の推計患者数は約4000人。50代から増加し、60~70代に多く発症するが、30代に発症する人もいる。

 発症原因は紫外線のほか、まれに外傷などによるものもあり、四つの病型(結節型、末端黒子型、表在拡大型、悪性黒子型)に分類される。吉野部長は「日本人に多いのは末端黒子型で、足の裏にできやすいのが特徴です。転移のない早期に治療すれば大部分は治りますが、他の臓器に転移している進行期になると生存率は低くなります」と話す。

 メラノーマの進行は、がんの厚さと表面の潰瘍の有無、リンパ節あるいは他の部位や内臓に転移しているかどうかで、I~Ⅳ期に分類される。がんの厚さにかかわらず、原発巣のみにとどまっていればⅠ、Ⅱ期。Ⅲ期はリンパ節などに転移があるもので、内臓に転移しているとⅣ期となる。

 吉野部長は「がんの厚さは予後(病状の見通し)を決める重要な因子です。厚くなると、転移の可能性が高くなります」と説明する。

 ▽薬物治療が大きく進歩

 治療は、がんを手術で切除することが優先される。だが、他の臓器に転移して、切除が不可能なⅣ期まで進行すると、薬物療法が主体となる。BRAFという遺伝子に変異がある場合は、BRAF阻害薬とMEK阻害薬の併用などを用いるが、変異がなければ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、イピリムマブといった免疫チェックポイント阻害薬で治療する。

 吉野部長は「当院では従来、Ⅳ期の唯一の治療薬だったダカルバジンでの1年生存率は約20%でしたが、免疫チェックポイント阻害薬を用いると、1年生存率は約40%と大きく改善しています。いったん効いた人では効果が長く持続するのも特徴です。一方で、内分泌障害をはじめ、重篤な免疫関連の副作用が表れることがあるため、患者さんは薬の特徴を理解した上で治療に臨むことが大切です」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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